斜頸

斜頸（しゃけい）についての詳細な解説

斜頸は、胸鎖乳突筋の短縮によって頭部が一方向へ傾き、顔が対側へ向く異常な状態のことを指します。この状態は、頸部の可動域にも制限をもたらし、患者は通常、患側に傾く傾向があります。この記事では、斜頸の主な原因、症状、および治療法に関して詳述します。

症状と疫学

斜頸の顕著な症状は、首の傾きと顔の方向の変化です。斜頸は、新生児や乳幼児に多く見られる疾患であり、その発生率は約2%とされています。白人の女児にやや多く、右側への罹患率が高いという特徴があります。新生児期には、斜頸の状態が発見されるよりも、入院時に頸部の腫瘤により気付かれることが一般的です。腫瘤は生後2〜3週間で最も大きくなることが多く、その後自然に消失しますが、場合によっては索状物に変わり強い拘縮を引き起こすこともあります。このような場合、斜頸が徐々に明らかになることがあるため、注意が必要です。

治療法

保存的療法

斜頸に関しては、約90%の患者が生後1歳頃までに自然に回復すると言われています。このため、定期的な乳幼児健診が重要です。もし家庭で頸部のリハビリを行う場合は、医師と相談して行うことが望ましいとされています。また、外見上極端な斜頸でない限り、自然治癒が多いことから、成長の過程を見守ることが推奨されています。医師の指示に従い、経過観察を行ってください。

手術的療法

自然治癒が見込めない場合、特に顕著な傾斜が残る場合には、3歳以降に手術を検討することがあります。しかし、手術を行う際は、担当医や施設によって手法が異なるため、十分な相談が必要です。

診療科

斜頸に対応する診療科は主に小児科や整形外科であり、外科的治療が必要な場合は形成外科と協力することもあります。

その他の留意事項

自然に回復するケースが多いものの、完治後も成長終了時までの定期的な経過観察が勧められています。過去にはマッサージなどの治療法が行われていましたが、その有効性が疑問視され現在ではほとんど行われていません。

斜頸自体は生命に危険を及ぼすものではありませんが、日常生活においては心理的なストレスや周囲からのからかいなどが影響する場合があります。特に証明写真などでの修正を意識することが心理的負担となることもあります。そのため、周囲の理解が重要です。

判別が必要な斜頸のタイプ

斜頸にはいくつかの異なるタイプがあり、以下のようなものが含まれます：

• - 眼性斜頸
• - 骨性斜頸
• - 炎症性斜頸
• - 痙性斜頸

個々の症例に応じた適切な診断と治療が求められます。最新の情報や具体的な治療法については、整形外科学会などの専門機関の資料を参照してください。

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