斬り捨て御免!

『斬り捨て御免!』について

『斬り捨て御免!』は、日本の時代劇で、島田一男の原作「江戸三十六番所」を基に1980年から1982年にかけて製作されたテレビシリーズです。この作品は、文化文政期の江戸を舞台に、様々な武士たちと悪党たちとの戦いを描いており、特に第3シリーズでは日本を支配しようとする悪の組織との対決がテーマとなっています。

概要

原作の「斬り捨て御免」は、コスミック・時代文庫から再版されており、作品は3つのシリーズに分かれています。各シリーズで基本的な構成は共通していますが、その内容や主題は異なります。特に第3シリーズでは、翁の御前が指揮する悪の組織に立ち向かう武士たちの姿がメインテーマになっています。

物語は、家長が毒によって亡くなる頃の将軍家治公の治世にさかのぼり、その後襲名した家斉公の時代へと続きます。三十六番所、武士たちの集まりの場所は、江戸市中の歓楽街の中に位置しています。この酔いしれる場所では、それぞれの番士が仲間と共に街の秩序を保つ一方、規則外の処刑も行われている「斬り捨て番所」としての役割を持っていました。

キャスト

物語には多種多様なキャラクターが登場します。中でも、主人公である花房出雲を演じた中村吉右衛門は、その豪放な性格と正義感を持ち、必殺の技で悪に立ち向かう武士です。彼は町民に対し優しさを持ちながらも、その根底には厳しい武士道が流れています。出雲の仲間たちも個性的で、特に関大助（長門勇）や松波蔵人（伊吹剛）たちは、彼の頼もしいサポートをしています。

第2シリーズからは、出雲と共に翁の御前と戦う新たな仲間も加わり、ストーリーも一層魅力的になります。それぞれの人物が持つ過去や背景は、物語に深みを与え、視聴者の興味を引く要素となっています。

ストーリーの展望

物語は単なる武士の活躍に留まらず、仲間との絆や恩義、そして個人の復讐心が交錯するドラマを展開します。特に第3シリーズでは、出雲の心情の変化が顕著に描かれており、過去の自分との葛藤や、彼自身のアイデンティティを見つめ直す様子が見受けられます。彼がいかにして悪に立ち向かい、最後にはどんな結末を迎えるのかは、視聴者にとっての大きな見どころとなっていました。

制作と音楽

この作品は、渡辺岳夫の手による音楽も大きな要素の一つです。音楽は、登場人物たちの感情やドラマを一層引き立てる役割を果たし、シリーズ全体の雰囲気を作り出す重要な要素となっています。シリーズの進行に伴い、音楽のスタイルやテーマも変化し視聴者を飽きさせることがありませんでした。

関連作品や影響

『斬り捨て御免!』は、時代劇としての枠を超え、他の作品にも多大な影響を与えました。特に、第3シリーズは先進的な視点を取り入れ、おそらく007シリーズに影響を受けた部分も多いと言われています。

このように、『斬り捨て御免!』はただの時代劇に留まらない、深い人間ドラマと緊迫したストーリー展開を持った作品です。視聴者に強烈な印象を与え、今なお記憶に残る作品として、多くのファンに愛されているのです。

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