断作戦

断作戦（だんさくせん）

概要

断作戦とは、太平洋戦争中に日本陸軍がビルマ北部から雲南方面にかけて、中国国民党への物資援助ルートであるビルマ・ルートを遮断することを目的とした軍事作戦です。この作戦は、現地の軍事的な状況を反映しつつ、日本陸軍の戦略的な困難さを物語っています。以下では、断作戦の背景や実施された戦闘、そして結果について詳細に述べます。

背景

昭和17年春、日本軍第15軍のビルマ攻略により、中国軍は怒江を越えて雲南へと撤退しました。しかし、それ以降の中国軍は積極的な攻勢に出ることなく、消極的な姿勢を維持しました。この背景には、蒋介石が兵力の消耗を極度に警戒し、英米両国軍の犠牲によって作戦目的を達成しようとしたことがあります。しかし、昭和19年に入ると、日本軍がインパール作戦を開始し、状況は変わっていきます。

特に、米国からの強い要請もあり、蒋介石はついに反攻を決意。5月11日、中国軍の雲南遠征軍は怒江を渡り、日本軍に対する攻撃を開始しました。

第56師団の防衛

対する日本軍は、松山祐三中将の指揮する第56師団のみで、わずか18,820名の兵力でした。この部隊は何度も敵に対して掃討戦を行い、怒西地区の防衛を担っていましたが、雲南遠征軍の攻勢は従来の小規模な作戦とは違い、非常に重大な脅威とみなされていました。

その中で、第56師団は敵の動向を把握するため、暗号の解読に成功しました。それにより、反撃体制を整えることができたのです。

反攻撃砕作戦

第一次反攻撃砕作戦

5月11日、雲南遠征軍が反攻を開始すると、第56師団は敵部隊に対してさまざまな地点で攻撃を行い、反撃を試みました。数度にわたり敵を撃退するも、遠征軍の数に圧倒される場面も見られました。

第二次反攻撃砕作戦

その後、第11集団軍の攻撃が開始され、第56師団は新たな危機に直面します。ここで守備隊は強固な陣地を構築し、最大限の努力で迎え撃ちました。しかし、数的劣勢から次第に劣勢に立たされました。

戦局の変化

戦闘は続く中、龍陵は激しい攻防戦の場となります。守備隊は強固に抵抗しつつも、遂に全滅の危機に迫られました。これに加え、相次ぐ玉砕の報告は各地で伝えられ、士気に影響を与えました。

結果

2か月以上にわたる苦闘の結果、第56師団は多大な損害を受け、再編成を余儀なくされる状況となります。最終的に、ナンカン方面での戦局は次第に悪化し、雲南遠征軍の優位が決定的になっていきました。

断作戦は、昭和20年の元旦に再度攻撃を受け、日本軍は戦局を収縮せざるを得なくなりました。全体的に、断作戦は日本軍の頑強な抵抗を描きつつ、総兵力の差を顕在化させる結果となりました。

以上の経緯を通じて、断作戦は日本陸軍の戦略的な困難さと伝説的な死闘を象徴する重要な出来事として位置づけられています。

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