断髪式

断髪式の概要

断髪式（だんぱつしき）は、大[[相撲]]の引退した力士がその象徴である大銀杏を切る儀式です。切り落とした髷は、通常ガラスケースに保管され、相撲博物館で展示されることがあります。また、芸能人などが髪を切る行為の比喩としても使用されることがあります。

断髪式の流れ

引退する力士が襲名する年寄名跡を持つ場合、引退相撲が行われることが一般的です。この相撲では、引退した力士の家族や友人、後援者が土俵に上がり、少しずつ髪を切っていきます。特に、引退力士の師匠である親方が最後に髷を切る行為は「止め鋏」と呼ばれ、重要な役割を持っています。

最近では、引退力士は椅子に座って髪を切るスタイルが一般化していますが、昭和時代中頃までは土俵に正座して髷を切っていました。また、土俵の上での今回の儀式は、赤いシートが使われることが多く、視覚的にも華やかさが感じられます。

女性の参与

伝統的に、土俵上は女人禁制ですが、近年は女性が髪を切るシーンが見られるようになりました。2010年に引退した千代大海は、母親に髪を切ってもらうために土俵を降り、こちらの演出が注目を浴びました。最近では、女性が踏み台を利用して髪を切るという、より自然なスタイルも見受けられます。

感極まる引退力士

断髪式は、長年頭にあった髷が無くなるため、引退力士にとって非常に感慨深い瞬間です。多くの場合、引退力士は感情が高ぶり、涙を流すことも少なくありません。引退に際して整髪や着替えが終わると、家族にネクタイを整えてもらうパフォーマンスが行われることもあり、これも一種の慣習となっています。

断髪式の日程と媒体

断髪式は、一般的に毎年1月、5月、9月の本場所から1週間後の土日、両国[[国技館]]で開催されます。特に人気力士の引退の場合、テレビ中継されることもあります。

特殊なケース

本来、断髪式では当時の師匠が止め鋏を入れるのが習わしですが、師匠の病気や退職、他の特別な事情で他の年寄や元年寄が代わりに入れることもあります。様々な事情により、引退力士の髷が切られた例も多種多様です。

引退相撲を伴わない断髪式

引退した力士が引退相撲を行うには、国技館で30場所以上在位する必要がありますが、これを満たさない場合、部屋の打ち上げパーティーで簡単な断髪式が行われることもあります。この場合、土俵以外で行われるため女性も参加可能です。

まとめ

断髪式は、相撲界の伝統行事であり、力士たちにとって非常に重要な儀式です。髷を切ることは力士としての終止符を打つだけでなく、感情豊かな瞬間でもあります。また、多くの力士がこの瞬間を通じて自身のキャリアを振り返り、新たな一歩を踏み出す重要な転換点となっています。

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