斯波淳六郎

斯波淳六郎

斯波淳六郎（しば じゅんろくろう）は、文久元年（1861年）に生まれ、昭和6年（1931年）に没した日本の官僚、法学者です。彼は、内務官僚として日本の近代化に貢献し、日本大学の創立者の一人としてもその名を刻んでいます。

生い立ちと教育

斯波淳六郎は、加賀国金沢藩（現在の石川県金沢市）の家老である津田正行の三男として生まれました。その後、斯波蕃の養子となり、斯波家を継ぎました。東京大学法学部を卒業後、文部省の留学生としてベルリン大学に留学し、国法学、行政法、国際法を学びました。ベルリン大学での留学経験は、彼の法学者としての基礎を築き、その後の官僚としての活動に大きな影響を与えました。

官僚としての活躍

帰国後、斯波淳六郎は帝国大学法科大学教授に就任し、後には法制局参事官を兼任するなど、法制官僚としてのキャリアをスタートさせました。恩給局審査官も兼任し、法律のエキスパートとして政府内で重要な役割を果たしました。

1898年（明治31年）には内務省に移り、社寺局長に就任。その後、宗教局長を歴任し、宗教行政に深く関わりました。当時の日本は、国家神道を中心とした宗教政策を推進しており、斯波は宗教行政の責任者として、その政策を推進する役割を担いました。1913年（大正2年）の官制改正により宗教局長を退任。

1915年（大正4年）には再び内務省に戻り、神社局長に就任しましたが、同年10月に退官しました。神社局長時代には、神社制度の整備や神社の保護育成に尽力しました。

日本大学創立への貢献

斯波淳六郎は、内務官僚としての活動と並行して、教育者としても活動しました。彼は、日本法律学校（現在の日本大学）の創立者の一人として、日本の法学教育の発展に貢献しました。日本大学は、明治時代に設立された私立大学であり、日本の近代法学教育の先駆けとなりました。斯波は、日本大学の創立に尽力することで、多くの法律家や法学研究者を育成し、日本の法学の発展に大きく貢献しました。

晩年

退官後は、錦鶏間祗候となり、社会貢献を続けました。斯波淳六郎は、昭和6年（1931年）に生涯を閉じましたが、彼の業績は、日本の法学、行政、教育の分野に深く刻まれています。

人物

妻は山東直砥の長女です。

参考文献

『人物と其勢力』毎日通信社、1915年。
人事興信所編『人事興信録 第4版』人事興信所、1915年。
* 七戸克彦「現行民法典を創った人びと(24)査定委員32・33 : 木下周一・斯波淳六郎、外伝20 : 内閣法制局」『法学セミナー』第56巻第4号、日本評論社、2011年4月、75-77頁。

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