新さぬき百景

新さぬき百景：香川の魅力を凝縮した100選

1968年、四国新聞社は創刊80周年と明治百年の節目を記念し、読者投票によって選ばれた香川県内の観光地100選「新さぬき百景」を発表しました。この企画は、地元住民にとって身近な景勝地や観光スポットを改めて見つめ直し、その魅力を広く伝えることを目的としていました。 読者参加型の選定方法は、地域住民の強い愛着と誇りを反映するものであり、単なる観光名所のリストアップ以上の意義を持っています。

選定までの道のりと、その背景

「新さぬき百景」の選定は、単なる景観の選定にとどまらず、香川県の歴史と文化を反映した取り組みでした。明治百年という節目を迎えた当時、県民は郷土への誇りを高め、地域活性化への期待感も高まっていました。このような背景の中で、四国新聞社は読者投票という方法を採用することで、県民一人ひとりの視点を取り入れた、より地域に密着した百景を選定することを目指したと言えるでしょう。

「新さぬき百景」以前の選定：讃岐十景と5大海水浴場

「新さぬき百景」は、香川県の景勝地選定の歴史において重要な位置付けを持ちます。その前身となる選定として、1927年には香川新報社が読者投票によって「讃岐十景」を選定しました。この選定では、屋島、金刀比羅宮、栗林公園が特選として位置付けられ、残りの10箇所が一般投票で選ばれました。 当時、投票期間中には関係者が宿泊して集計作業にあたるなど、選定への熱意の高さが伺えます。さらに1931年には、同社が「香川県下5大海水浴場」を同じく読者投票で選定しています。これらの選定は、「新さぬき百景」につながる重要な歴史的背景となっています。

現代における「新さぬき百景」

「新さぬき百景」に選ばれた場所々は、半世紀以上を経た現在も、多くの観光客を魅了し続けています。これらの場所の多くは、自然の景観、歴史的建造物、文化遺産など、香川県の多様な魅力を凝縮したものです。しかし、時間の経過とともに、景観の変化や社会情勢の変化も避けられません。一部の場所では、環境保全や観光客の増加による課題も生まれてきています。

関連する選定一覧と、今後の展望

「新さぬき百景」以外にも、香川県では様々な選定が行われてきました。2004年には「香川のみどり百選」が、1995年には「香川新50景」が選定されています。これらの選定は、それぞれの時代背景を反映したものであり、それらを比較することで、香川県の観光や自然環境への意識の変化をたどることができます。「新さぬき百景」は、単なる観光地のリストではなく、香川の歴史と文化、そして自然環境を理解するための重要な手がかりとなるでしょう。今後の観光振興においても、これらの選定結果を参考に、持続可能な観光を目指した取り組みが重要になってきます。

まとめ

「新さぬき百景」は、単なる観光名所のリストではなく、香川県の歴史と文化、そして人々の郷土愛を反映した貴重な遺産です。この選定が、半世紀以上を経た現在も、地域の活性化や観光振興に貢献していることは間違いありません。今後とも、これらの場所を守り、次世代へと繋いでいくことが求められます。

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