新しい風 (自民党)

新しい風（あたらしいかぜ）

「新しい風」は自由民主党内に存在する議員グループで、2006年12月20日に元自民党幹事長の武部勤により設立されました。このグループは、主に当選1回の新人議員を対象に選挙面での支援を行うことを目的としており、特定の派閥には分類されません。グループの創設には、2005年の小泉政権の影響を受けて当選した新人議員たちの存在が大きく、彼らは次回の選挙に対して不安を抱えていました。

グループのメンバーと構成

新しい風には、猪口邦子、佐藤ゆかり、杉村太蔵など、いわゆる「小泉チルドレン」と称される新人議員が多く所属しています。具体的には、グループ全体での会員数は36名にのぼり、中には千葉7区自民党候補の齋藤健や、当選回数が2回以上の国会議員も「特別会員」として参加しています。このグループの特筆すべき点は、武部と多くの議員が他の派閥にも参加していることです。武部自身も山崎派に属したまま活動していましたが、それでも原則二重在籍を認めない従来の派閥と異なる立ち位置を取っていました。

名前の由来と関連性

「新しい風」という名称は、武部自身が彼の選挙区である北海道の開拓者である依田勉三の歌から着想を得たものとされています。この歌は「ますらおが 心定めし 北の海 風吹かば吹け 波立てば立て」というもので、自然の力強さを連想させるものです。また、二階俊博が主宰する「新しい波」にも呼応した名前となっています。報道などでは「武部グループ」と呼ばれることが多く、「武部派」とは通常区別されています。

政治的動向と変遷

新しい風は、安倍内閣が発足した後、改革の後退に不満を抱き、小泉時代のような改革姿勢を党内で求める役割を果たしました。2007年9月には安倍内閣が退陣し、次の自民党総裁選挙に向けて、グループの大半の議員が福田康夫元官房長官を支持する動向が報じられました。武部がグループとして福田支持を強力に進めようとしたことが、杉村太蔵の離脱の原因となり、その後、彼らの間には緊張関係が生じましたが、2018年には双方が和解しています。

2009年に実施された第45回衆議院議員総選挙では、所属議員の約3分の2が落選するという厳しい結果を迎えました。この影響により、2010年にグループの公式ホームページも閉鎖され、活動が縮小しました。2012年には武部が引退を表明し、グループとしての実体はほぼ消滅したと考えられています。

構成と関連項目

新しい風の構成メンバーやその背景について理解を深めるためには、彼らの当選回数や選挙区、他に所属する派閥に関する情報も重要です。特に、創設期に参加していた杉村太蔵などの元会員も、当時の動向を知る手がかりとして注目されます。また、83会や小泉チルドレンなど、関連する議員グループとの関係性も考慮されるべきでしょう。

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