新・おしゃれ泥棒

『新・おしゃれ泥棒』：予測不能のダイヤモンド強盗劇

1974年公開のイギリス映画『新・おしゃれ泥棒』(原題: 11 Harrowhouse)は、アラム・アヴァキアン監督によるロマンティックコメディ作品です。邦題はオードリー・ヘップバーン主演の『おしゃれ泥棒』を彷彿とさせるもので、一見関連性があるように見えますが、ストーリー、キャラクター、世界観は全く異なります。邦題は、日本の配給会社が、どちらも美女と犯罪を絡めた作品であるという点に着目して付けたものです。

はじまりの盗難と大胆な計画

舞台はロンドン。アメリカ人ダイヤモンド仲買人のハワード・R・チェッサーは、大規模なダイヤモンド取引のチャンスを掴みます。しかし、取引直前に貴重なダイヤモンドを盗まれてしまいます。取引を持ち掛けてきた金持ちのダイヤ所有者、クライド・マッシーからの脅迫を受け、ハワードは窮地に陥ります。

窮地を脱するため、ハワードは、大胆な計画を実行することにします。それは、ダイヤ公社の金庫に眠る、120億ドル(200万カラット)ものダイヤモンドを盗み出すという、前代未聞の強盗計画です。しかし、彼1人では不可能な計画。ハワードは、スピード狂の美しい未亡人で恋人のマレン・シャール、そして、ダイヤ公社に勤務し、余命いくばくもない末期ガン患者であるチャールズ・D・ワッツを仲間に引き込みます。ワッツは家族のために経済的な安定を望んでおり、この危険な計画に身を投じるのです。

個性豊かな登場人物たち

本作は、魅力的なキャラクターたちが織りなす人間模様も見どころです。

ハワード・R・チェッサー: ロンドンのハローハウス通りでダイヤモンド仲買商を営む、少し抜けたところもあるアメリカ人。窮地に立たされた時に見せる機転と、恋人を想う気持ちに注目です。
マレン・シャール: ハワードの恋人。裕福な未亡人で、スピード狂という一面も持ち合わせています。その大胆さと美貌は、計画の成功に欠かせない要素となるでしょう。
チャールズ・D・ワッツ: ダイヤ公社の職員。余命いくばくもないガン患者であり、家族への愛情から危険な計画に参加します。彼の葛藤と決意は、物語に深みを与えます。
クライド・マッシー: ダイヤモンドの所有者。冷酷で、ハワードを脅迫する黒幕的存在。彼の思惑と、ハワードたちの計画がどのように交錯するのか、見逃せません。

予測不能の展開と痛快な結末

『新・おしゃれ泥棒』は、スリリングな展開とユーモラスな演出が絶妙に絡み合った、痛快なロマンティックコメディです。登場人物たちの個性、そして、彼らの思惑が複雑に絡み合い、予測不能な展開へと物語を導いていきます。果たして、ハワードたちは巨額のダイヤモンドを盗み出すことができるのか？そして、彼らの運命は？最後まで目が離せない、ハラハラドキドキのエンターテイメント作品です。豪華なキャスト陣による演技にもご注目ください。チャールズ・グローディン、キャンディス・バーゲン、ジェームズ・メイソン、トレバー・ハワードといった実力派俳優たちが、それぞれのキャラクターを魅力的に演じきっています。

『新・おしゃれ泥棒』は、単なるダイヤモンド強盗映画ではありません。愛、友情、そして、人生の選択をテーマにした、奥深い人間ドラマでもあります。ぜひ、この傑作映画を鑑賞して、その魅力を堪能してください。

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