新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生

新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生

『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』は、日本のアニメ映画であり、1997年3月15日に公開されました。この作品は、テレビシリーズ『新世紀エヴァンゲリオン』の劇場版であり、大きく二部に分かれています。第一部は『DEATH』、第二部は『REBIRTH』という構成となっており、物語は過去のエピソードの総集編と異なる結末を描いています。

概要と制作背景

本作のサブタイトル「シト新生」は、英語の「Death and Rebirth」を日本語に直訳した「死と新生」と「使徒新生」の二つの意味を持つ言葉が掛け合わされています。略称としては「シト新生」、「春エヴァ」、「デスリバ」などが使用されています。また、後に登場するリメイク作品『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』との区別のため、一般的には「旧劇場版」とも呼ばれています。

公開は全国の東映・東急系で行われ、同時上映として『魔法学園ルナ LUNAR! 青い竜の秘密スッポコ魔法作戦!』も行われました。さらに、本作の中で「DEATH」編の再修正版『DEATH (TRUE)²』や第25話『Air』、第26話『まごころを、君に』を組み合わせた新たな上映作品も公開されることとなりました。

制作当初、テレビシリーズの最終エピソードについては一般的な物語完結から外れるものであったため、ファンからの反響を受け、製作者はその問題を認識していました。このため、1996年には最終エピソードのリメイクと新作劇場版が発表され、実際に春の映画が公開されたものの、『REBIRTH』編の完成は間に合わないことが判明し、翌夏に公開された『Air/まごころを、君に』といった形で続編が発表されました。

アニメーションと音楽

『DEATH』編は、タツノコプロとGAINAXによって制作され、テレビシリーズからの再構成と一部修正を加えた形で新作シーンも含まれています。しかし、物語の時系列が無視された内容であるため、シリーズを未視聴の人には理解しにくい部分も多くあります。新たに追加されたシーンには、主要キャラクターたちが弦楽四重奏の練習を行うシーンが含まれ、これに挿入される形で過去のエピソードが流れます。

一方、音楽も重要な要素となっています。『DEATH』編のオープニングには無伴奏チェロ組曲が使用され、エンディングには「カノン」が流れるなど、バラエティー豊かな楽曲で構成されています。また、『REBIRTH』編では「魂のルフラン」が主題歌として使用されており、非常に印象的なラストシーンを演出しています。

幅広い人気と影響

公開前には、特別前売券が話題を呼び、早期から多くのファンが前売券を購入するために行列を作るなど、公開が大きな期待を集めました。結果的に、20万枚以上の前売券が売れたとされ、日本記録を更新したとも言われています。

制作に関しては、当初の予定から遅れが生じ、最終的には『エヴァンゲリオン』の物語は『まごころを、君に』で完結することになったものの、その後もファンの期待は続き、庵野秀明監督は後に自身のプロットについて語っています。また、様々な媒体でのソフト化も進み、劇場版のBlu-rayやDVDボックスがリリースされるなど、現在でも人気が続いています。

結論

このように、『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』はアニメ界に大きな足跡を残した作品です。ストーリーの斬新なアプローチや音楽の重要性、ファンからの熱い支持などが相まって、エヴァンゲリオンシリーズは今なお多くの人々に愛されています。

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