新世紀Mr.Boo! ホイさま カミさま ホトケさま

新世紀Mr.Boo! ホイさま カミさま ホトケさま：香港コメディ映画への愛情とオマージュ

2004年公開の香港映画『新世紀Mr.Boo! ホイさま カミさま ホトケさま』（原題：鬼馬狂想曲、英題：Fantasia）は、1970年代に大ヒットしたマイケル・ホイ主演のナンセンスコメディ『Mr.Boo!ミスター・ブー（半斤八両）』を、ラウ・チンワン主演で大胆にリメイクした作品です。しかし、単なる焼き直しではなく、ホイ3兄弟出演作品へのオマージュ、70年代香港映画への愛情あふれるパロディを巧みに織り交ぜた、独特の味わいを持つ作品に仕上がっています。

往年のスターと人気シリーズへのリスペクト

ラウ・チンワンは、マイケル・ホイを彷彿とさせるコミカルな演技で主人公を演じ、古天楽と陳小春は、それぞれサミュエル・ホイ、リッキー・ホイが演じた役柄を踏襲。さらに、マイケル・ホイ自身も魔法学校の校長役でカメオ出演しており、ラウ・チンワンとの共演シーンはアドリブで撮影されたというエピソードも話題を呼びました。メイキング映像では、マイケル・ホイから「似ている」と褒められたラウ・チンワンの喜びようが垣間見れます。

セシリア・チャンが演じる魔法使いの女の子は、70年代香港で人気を博したコメディシリーズの主人公を彷彿とさせるキャラクターであり、ツインズが演じる2人も、同時代のアイドルユニットを彷彿とさせます。これらのキャスティングやキャラクター設定は、70年代香港エンターテイメントへの深いリスペクトを示すものであり、当時の香港映画ファンにはたまらない要素となっています。

70年代香港へのノスタルジーと時代的要素

舞台は1969年の香港。アポロ11号の月面着陸という歴史的出来事を背景に、往年の香港コメディ映画を思わせる数々のギャグやシチュエーションが展開されます。時代考証にもこだわりが見られ、当時の香港の街並みや文化、芸能界の風俗までもが、細やかに描写されています。古き良き時代の香港への郷愁と、現代への視点が絶妙に調和した、ノスタルジックでユーモラスな作品です。

あらすじ：珍妙な探偵事務所と魔法使いの少女

仕事に恵まれない探偵事務所「701私家探偵社」の所長マイケル（ラウ・チンワン）とその部下サム（ルイス・クー）、フグ（陳小春）は、骨董品の警備という仕事を引き受けます。しかし、いつものように部下をこき使ったマイケルは、泥棒に入られ、骨董品をめちゃくちゃにされてしまいます。修理のため持ち帰った骨董品の中から、不思議なランプを発見。投げ捨てたそのランプから、魔法使いの少女ハミー・ポッポー（セシリア・チャン）が現れ、3人の運命を大きく変えていきます。ハミー・ポッポーは魔法学校を卒業するために、3つの願いを叶えなければならないという、ちょっと変わった魔法使いなのです。

スタッフとキャスト：豪華な顔ぶれ

監督・脚本・製作はワイ・カーファイ、出演はラウ・チンワン、古天楽、陳小春、セシリア・チャンなど、香港映画界を代表する豪華な顔ぶれが勢揃いしています。日本語吹き替え版では、広川太一郎がラウ・チンワンとマイケル・ホイの二役を演じ、さらに多くの実力派声優陣が参加しています。

まとめ：香港映画史へのラブレター

『新世紀Mr.Boo! ホイさま カミさま ホトケさま』は、単なるリメイクにとどまらず、70年代香港コメディ映画へのオマージュと、香港映画史への深い愛情が感じられる、独特の味わいを持つ作品です。往年のスターや人気シリーズへのリスペクト、時代考証へのこだわり、そしてユーモラスなストーリー展開は、香港映画ファンのみならず、コメディ映画ファンにも広くおすすめできる作品となっています。

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