新井秀徳

新井 秀徳：音響効果技師の巨星

新井 秀徳（あらい ひでのり、1957年? - ）は、日本を代表する音響効果技師およびサウンドクリエイターとして、多くのアニメ作品においてその存在感を示してきました。兵庫県の出身で、彼は音楽やデザインに対する深い愛情を持って成長しました。特に、彼の代表作には『Dr.スランプ アラレちゃん』や『ドラゴンボール』シリーズ、『ONE PIECE』などがあり、アニメファンにはお馴染みの現在でも彼の名は色褪せることがありません。

経歴の始まり

幼少期は父親の影響から様々な楽器に興味を持ち、ミュージシャンを夢見ていましたが、中学時代にその道を断念しました。高校ではデザイン科を専攻し、多様な芸術に対する関心を持っていました。1975年に上京後、大学卒業を控え、東映の美術部に就職内定していましたが、初出社の日に大学のサークルの演奏会を優先したため、あえなく解雇されてしまいます。しかし、その後彼が見つけたイシダサウンドプロダクションの求人は、運命的なものとなりました。

面接を受けた際に、サウンドに関する仕事に携わることを期待していた彼ですが、実際はアニメの効果音を制作する会社でした。それでも彼は採用され、『キタキツネ物語』を初仕事として以てスタートを切りました。その後、『Dr.スランプ アラレちゃん』の効果音技師としての仕事を経て、東映アニメーションの多くの作品に深く関与することとなります。

音響効果の独自性

伝説的なベテランとして、新井氏の音響効果は「新井ワールド」とも称されるほどです。彼のサウンド制作に対するポリシーは、作品自体の音楽と調和し、違和感のないサウンドを作り出すことに重きを置いています。絶対音感を持つ視聴者でも納得できる音作りを目指す彼の姿勢は、多くの後進にも影響を与えています。さらに、「子供に悪影響の出ない音」を心掛けるなど、音に対する責任感も強く持っています。

また、録音には伝統的なアナログ機器を用いることを好む彼は、現代のデジタル音響制作に対して批判的な見解を持つこともあります。簡易すぎる環境は全体の質を損なう恐れがあるとし、音の本質を追求する姿勢は崩さないという信念が伺えます。彼の音作りには、深い音楽知識や感覚が必要だと語る姿から、音響のプロフェッショナルとしてのプライドを感じます。

趣味と後進へのメッセージ

趣味として、ギターやウクレレ、バンジョーなどの弦楽器を楽しみ、年に数回ライブパフォーマンスを行ったりしています。また、音楽に対する情熱は、彼が後輩に対しても「楽器を弾けなければならない」というメッセージとして伝えられています。音楽理論や感覚を養うことが、良い効果音とサウンド作りに不可欠だと考えられているのです。

新井秀徳が関わった作品は実に多岐にわたりますが、それぞれに彼の個性やプロの技術が生かされています。その存在は、今後も多くのアニメ作品において重要な位置を占め続けることでしょう。

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