新京報

新京報（The Beijing News）について

新京報は、中国共産党北京市委員会宣伝部が所有するタブロイド紙であり、その名称は「京報」に由来します。2003年11月11日に北京地区で創刊され、創刊当初は「すべてを報道する責任」というスローガンを掲げ、市内のいたるところにその広告が掲載されていました。当時、他の地方紙の倍の価格である1元で販売されていましたが、売れ行きが伸び悩んだため、購読キャンペーンが実施されました。設立当初は、光明日報グループと広東の南方日報グループの共同出資によって運営されていました。

この新聞は、広東省で高い人気を誇った『南方都市報』と同様に、社会的、道徳的、文化的な責任を重視した報道姿勢で知られていました。その結果、権力者にとっては非常に煙たい存在となりました。しかし、2011年に中国共産党北京市委員会の所有となり、その性格は変化しました。

新京報の独自報道

新京報は、創刊当初、独自の視点に基づいた報道で注目を集めました。以下にその代表的な例を挙げます。

河北省定州市暴動: 2005年6月、河北省定州市で農民が土地収用に反対して立ち退きを拒否した際、開発業者が武装集団を雇って農民を襲撃させる事件が発生しました。この事件は、補償金の未払いが原因であり、その映像が全世界に配信されたことで、中国政府は市党委書記と市長を罷免せざるを得なくなりました。しかし、当局と開発業者との癒着は曖昧なまま終わりました。
毛毛事件: 2005年10月、バスに乗車していた毛毛という人物が、車掌によって首を絞められ、バスから引きずり出された後に死亡するという事件が起こりました。この事件では、バスの運転手と車掌が逮捕されましたが、毛毛の親族が目撃者を探していることを知った北京バス有限会社は、毛毛の父親である元清華大学教授を脅迫しました。この事件に関する資料は、毛毛の両親によってインターネット上で公開されました。
ハルビン市河川汚染: 2005年11月、松花江上流にある化学工場で爆発事故が発生し、汚染物質が流出しました。この事件に対し、黒龍江省ハルビン市は「混乱を防ぐため」として事実を隠蔽しました。しかし、噂が広まった結果、市民はパニックになり、飲料水の買い占めや都市からの脱出が相次ぎました。


これらの報道が原因となり、2005年12月下旬に新京報の指導部は解任され、それ以降、以前のような独自取材は減少しました。

その他の事件

2008年7月には、広告に六四天安門事件の写真が掲載されたことが原因で、回収騒動が発生しました。

現在の新京報

新京報は、中国共産党の管理下に入って以降、以前のような独立した報道は行われなくなりました。かつては権力にとって煙たい存在でしたが、現在は党の意向に沿った報道を行うようになりました。しかし、過去には社会的な問題に切り込む報道を行い、その存在感を示していました。

外部リンク

新京報サイト
新京報が載せた写真に仰天
毛毛事件の考察

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