新人民軍

新人民軍（NPA）とは

新人民軍（しんじんみんぐん、英: New Peoples Army, NPA）は、フィリピン共産党（CPP）が構成した軍事組織であり、1969年にルソン島の農村で設立されました。この組織は、フィリピン政府に対抗するために、毛沢東思想を基にした革命と体制変革を目指しています。創設当初、数十人規模で活動を開始し、その後、政権の対応によって成長し、特に1980年代には最大で約25,800人の兵力を誇りました。

組織の成り立ちと歴史

新人民軍は、かつてのフクバラハップとの対立から生まれ、急速に拡大しました。特にフィリピンのマルコス政権下では、政府軍との衝突が頻発し、多くの武装衝突が報告されています。しかし、アキノ政権やその後の政権においては、暴力に対する強力な対策が取られ、特に1992年のラモス大統領の政策は、武装ゲリラの孤立化を促すものでした。この政策によって、NPAは徐々に衰退していきました。

現状と影響

2015年初頭の時点で、NPAの戦闘員は約4,092人とされ、その後の和平交渉の間に一時的に数％増加したと推測されていますが、戦闘員の数はまた減少に転じています。2018年には全土で約3,713人にまで減少したと見られています。NPAの活動は、政府の選挙プロセスにも影響を及ぼしており、特定の地域では候補者が新人民軍に金銭を支払わなければならない事態が生じています。

政府との関係

ドゥテルテ政権は、2016年に新人民軍及びフィリピン共産党との和平交渉を進め、一定の停戦を達成しましたが、その後も局所的な衝突が続き、結局は2017年11月に和平交渉が中断されました。

結論

新人民軍はフィリピンにおける重要な武装闘争の一翼を担い、政府との対立を経て今日に至っています。かつてのピーク時と比べると、組織としての規模は縮小していますが、依然として政治的な影響力を持ち続けているのは否めません。その存在は、フィリピン国内の政治や治安、ひいては社会の安定に挑戦し続けています。

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