新光三越

新光三越百貨：台湾を代表する百貨店

新光三越百貨股份有限公司は、日本の三越伊勢丹ホールディングスと台湾の新光グループによる合弁事業として設立された台湾を代表する百貨店です。三越伊勢丹ホールディングスは約43.4%の出資を行い、持分法適用会社として関係を維持しています。

1991年、台北に1号店をオープンして以来、台湾各地に店舗を拡大。現在では、台北に9店舗、桃園、台南、高雄にそれぞれ2店舗ずつ、さらに嘉義、台中にも店舗を展開し、台湾全土にネットワークを築いています。特に台北信義地区には4店舗が集中しており、「三越村」と呼ばれるほど密集しています。

新光三越は、日本の三越が持つ伝統と高級感をベースに、若年層もターゲットとした現代的なスタイルを取り入れています。そのため、顧客層は三越よりも幅広く、若年層からの支持も高いことが特徴です。かつて経営危機にあった衣蝶百貨の買収も、若年層へのアプローチを強化する上で大きな役割を果たしました。

そのブランド力は台湾で圧倒的であり、「台湾でデパートといえば新光三越」と言われるほど浸透しています。台湾に進出する他の日本系百貨店、例えば大葉高島屋や遠東崇光・廣三崇光などを大きく引き離し、台湾No.1の百貨店としての地位を確立しています。海外における日本系百貨店の成功事例として、しばしば取り上げられるほどです。

新光三越の成功には、元三越社長・岡田茂氏の側近であった天野治郎氏の貢献が大きいと言われています。天野氏は、1988年の「三越事件」後、新光三越副董事長として赴任し、その経営手腕で事業拡大を牽引しました。

2020年には、新光三越の創業者である呉火獅の娘婿で、創業以来総経理を務めていた呉東興董事長が死去。その後、三越伊勢丹HDの村上英之氏が董事長に就任しました。

新光三越は台湾国内だけでなく、中国への進出も積極的に行っています。2014年には成都に中国最大級規模の店舗をオープンさせ、蘇州にも出店しました。その他、重庆にも店舗を展開しています。さらに、2017年には高雄市でアミューズメントパークを含む複合商業施設の運営にも乗り出しました。

包装紙のデザインは、日本の三越のロゴである「mitsukoshi」の上に「shin kong」と記されており、両社の協業関係を表しています。

現在、新光三越は台湾における百貨店業界のリーダーとして、その地位を揺るぎないものとしています。今後も、伝統と革新を融合させながら、更なる成長を遂げていくことが期待されています。

主な店舗一覧

台湾

台北：南西店1館、南西店3館、駅前店、信義店A11館、信義店A8館、信義店A9館、信義店A4館、天母店
桃園：駅前店
台中：中港店
嘉義：垂楊店
台南：中山店、西門店・2館
高雄：三多店、左營店・2館、SKM Park

中国

蘇州店
重慶店
成都店

過去に存在した店舗

新竹中華店
台北南西店2館（現在は誠品生活南西店）
桃園大有店

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