新
四ツ木橋は、
東京都墨田区八広と
葛飾区四つ木の間を流れる荒川(荒川放水路)に架かる、
国道6号の重要な道路
橋です。この
橋は、平行して流れる
綾瀬川に架かる新四ツ木小
橋と合わせて一つの
橋として認識されることもあります。
橋の概要
荒川の河口から約8.7kmの地点に位置し、左岸は
葛飾区四つ木三丁目、右岸は
墨田区八広六丁目に接続しています。
橋の全長は547.8メートル、幅員は16.25メートルで、車道は13メートル、
歩道は3.25メートルです。最大支間長は80.8メートルで、鋼連続箱
桁橋という構造を採用しています。
歩道は
橋の下流側のみに設置されています。
左岸側では、荒川と
綾瀬川を隔てる背割堤に7.1メートルの
橋台を挟み、
綾瀬川に架かる
橋長68.5メートルの
橋に接続しています。
橋の前後には取付高架があり、左岸側の取付高架は
国道6号の本線と立体交差するため、上り線と下り線で高低差があります。下り線の高架は長さ183.567メートル、有効幅員6.5メートルの3径間連続箱
桁橋です。
上流側には
四ツ木橋がありますが、斜めに架けられているため、新
四ツ木橋とは左岸側で約40メートル、右岸側で約120メートル離れています。
橋の管理は国土交通省関東地方整備局東京国道工事事務所が行っています。
防災上の役割
新
四ツ木橋は、災害時に防災拠点などへ緊急物資を輸送するための、
東京都の特定
緊急輸送道路に指定されています。このため、災害時の重要なライフラインとしての役割を担っています。
利用上の注意
橋とその前後のアプローチ区間では、自転車の車道走行が禁止されています。
橋の入口にはその旨を示す
道路標識が設置されています。
橋の諸元
道路の路線名:
国道6号支線
上部工: 鋼連続箱
桁橋
下部工: 鋼管杭基礎(直杭24本、斜杭40本、長さ23.1メートル)
全長: 547.8メートル(荒川渡河部:479.1メートル)
幅員: 16.25メートル(車道13メートル、
歩道3.25メートル)
支間割: 68.5 m + (66.0 m + 66.0 m) + (66.5 m + 83.0 m + 66.5 m) + (61.0 m + 61.0 m)
伸縮継手: 主径間と側径間、および
橋と取り付け道路の間には、長さ1メートルの伸縮継手(フィンガージョイント)があります。また、荒川と
綾瀬川の間には長さ7.1メートルの
橋台があります。
竣工年: 1973年(昭和48年)
歴史
1952年(昭和27年)7月30日に、現在の
四ツ木橋である新
四ツ木橋が永久
橋として開通しましたが、その前後で慢性的な交通渋滞が発生していました。そのため、曳舟川通りを延長する形で
国道6号の川下側に新たな
橋「新々
四ツ木橋」(または第二
四ツ木橋)を建設することになりました。工事は1969年(昭和44年)10月に着工し、1973年(昭和48年)4月5日に竣工、供用を開始しました。
橋の製作は
汽車製造、取付高架は日本鉄塔工業が担当しました。
工事中の1969年(昭和44年)4月4日には、新工法のリングビーム工法を用いて
橋脚基礎を建設中に、水止めの鋼矢板が崩壊して水没するという事故が発生しました。この事故により、作業員8名が死亡し、工事を請け負った間組の現場責任者らが
書類送検されました。訴訟も起こされましたが、1983年(昭和58年)5月23日、東京高裁で不可抗力として無罪判決が確定しました。この事故を受けて、建設省は軟弱地盤や水深の深い場所でのリングビーム工法の使用を控えるよう、各自治体に指示を出しました。
2007年(平成19年)には、道路整備特別会計から2346万7500円の費用を計上し、
橋脚の補強工事が行われました。
周辺施設
新
四ツ木橋の周辺には、以下の施設があります。
荒川
四ツ木橋緑地
四つ木公園
四つ木つばさ公園(
キャプテン翼のモニュメントがある)
四つ木めだかの小道
四ツ木駅
八広駅
葛飾区立よつぎ小学校
墨田区立八広小学校
東京都立墨田養護学校
八広図書館
天台宗西光寺(
葛西清重旧跡)
真言宗寳蔵寺
隣接する橋
新
四ツ木橋の隣には、以下の
橋があります。
荒川
上流側:新荒川
橋 -
四ツ木橋
下流側:
京成押上線荒川
橋梁 - 木根川
橋
綾瀬川
上流側:堀切避難
橋 - 四ツ木小
橋
下流側:
京成押上線綾瀬川橋 - 木根川
橋
参考文献
『鐵骨
橋梁年鑑 昭和47年度版(1972)』日本
橋梁建設協会、1973年11月17日、100-1011頁
「国道六号線新
四ツ木橋事件」『経営評論 6月号』第14巻第5号、経営評論社、1971年6月1日、28-29頁
福岡正巳「新
四ツ木橋事故報告」『道路』第356巻、日本道路協会、1970年10月、69-74頁
“東京高裁、新
四ツ木橋の監督者ら3人に無罪判決――「不可抗力」と一審支持。” 日本経済新聞 夕刊 (
日本経済新聞社): p. 11. (1983年5月23日)
関連情報
事故の一覧
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