新大利根橋

新大利根橋の詳細解説

新大利根橋は、茨城県取手市と千葉県柏市を結ぶ、利根川に架かる重要な橋です。かつては新大利根橋有料道路の一部として利用されていましたが、現在は無料開放され、茨城県が管理しています。この橋は、全長711メートルで、両県を結ぶ主要な交通路としての役割を担っています。

歴史

新大利根橋は、1980年4月17日に開通しました。当初は利根川の本流部分のみに架橋され、調節池部分は未整備でした。そのため、台風などで増水すると、調節池部分に敷設された道路が冠水し、通行止めになることが頻繁にありました。これにより、近隣の大利根橋に交通が集中し、周辺道路の交通渋滞が深刻化していました。

この問題を解決するため、1998年に北側の稲戸井調節池部分、2002年には南側の田中調節池部分が架橋され、開通から22年を経て全線が開通しました。同時に、1980年に開通していた布施橋とも一体化し、増水による通行止めは解消されました。2010年4月17日には料金徴収期間が満了し、それに先立つ4月1日から16日までを特別無料開放期間とし、4月17日に正式に無料開放されました。

橋の構造と周辺環境

新大利根橋は、茨城県道・千葉県道47号守谷流山線（守谷街道）の一部を構成しており、国道6号（水戸街道）や国道294号のバイパスとしても機能しています。橋の周辺には、商業施設が多く立地しており、買い物客の利用も多いです。

取手市側には、ヨークタウン取手跡地（旧イオン取手店）、ケーズデンキ取手店、少し離れてジョイフル本田守谷店、西友楽市守谷、アクロスモール守谷、イオンタウン守谷、アサヒビール茨城工場、伊藤ハム取手工場などがあります。

新大利根橋有料道路

1980年4月17日から2010年4月17日までの30年間、新大利根橋を含む守谷市本町の乙子交差点から千葉県柏市根戸の布施入口交差点までの5.6kmが新大利根橋有料道路となっていました。ただし、実質的に有料区間となっていたのは新大利根橋の区間のみでした。

有料道路時代は、茨城県道路公社が管理しており、料金所は新大利根橋の取手市側に設けられていました。料金は、有人ゲートで現金で支払う方式で、ETCやクレジットカードは利用できませんでした。深夜帯（0時から6時）は無料開放されていました。回数券も販売されており、まとめ買いをするほど割引率が高くなっていました。

歩行者と自転車は、有料道路時代から歩道を無料で通行することができました。しかし、かつては軽車両（自転車を除く）に対して20円の料金が設定されており、歩道に自転車用の料金箱が設置されていましたが、事実上機能していませんでした。その後、高校生の通学利用などを考慮し、自転車に対する料金設定は撤廃されました。

また、近隣の商業施設では、一定金額以上の買い物をした客に無料通行券を配布するサービスを行っている店舗もありました。

かつては大型車の通行も可能でしたが、現在は橋の両端の交差点に大型貨物自動車等および大型乗用車等通行止めの標識が設置されており、大型車の通行は制限されています。しかし、実際には多くの大型貨物自動車等が通行している現状があり、規制の実効性が疑問視されています。

歩道は橋の下流側にのみ設置され、自転車の通行も許可されています。この歩道は、利根川サイクリングロードと接続しており、サイクリングを楽しむ人々にも利用されています。千葉県側の利根川サイクリングロードは、新大利根橋から国道6号の大利根橋までの間は未舗装であるため、茨城県側のサイクリングロードを利用する方がスムーズに通行できます。

新大利根橋は幅が狭く、車道を通行する自転車には危険が伴うため、歩道の通行が推奨されています。

料金（2010年3月31日現在）

普通車：200円
大型車(1)：320円
大型車(2)：730円
軽車両等（自転車を除く）：20円
自転車・歩行者：無料

沿革

1976年2月10日：新大利根橋有料道路（1.5km区間）の工事着手
1980年3月31日：新大利根橋有料道路（2.4km区間）の工事完了
1980年4月17日：新大利根橋有料道路暫定開通
1989年10月1日：通行料金改定
1997年10月1日：通行料金改定
1998年10月6日：稲戸井調節池内高架化完了
1999年4月1日：自転車に対する料金設定を廃止
2002年9月7日：田中調節池内高架化完了
2003年3月31日：千葉県柏市大字弁天下 - 柏市大字布施下間の改築工事完了
2010年4月1日：特別無料開放期間開始
2010年4月17日：無料開放

新大利根橋は、地域住民の生活を支える重要なインフラとして、今後もその役割を果たし続けるでしょう。

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