新宿の片隅で

『新宿の片隅で』

『新宿の片隅で』は、日本のシンガーソングライターSIONのデビュー作となるミニ・アルバムで、1985年9月1日にリリースされました。このアルバムは、SIONが唯一インディーズレーベルからリリースした作品であり、彼の音楽キャリアにおいて重要な一歩を踏み出した記念碑的な作品です。また、SIONはこの作品で「Shion」または「シオン」といった名前で表記されており、それが以降の彼の音楽活動における識別名となります。

リリースと収録楽曲

後に、SIONは1987年にリリースされたベスト・アルバム『SION '85>'87』において、このミニ・アルバム収録の3曲が再収録されました。1994年には完全復刻盤としてすべての楽曲が収められた『sion 10 cd best』も発売されました。特に「俺の声」は、メジャー・デビューシングルとしても再録音され、SIONの名を広める大きな要因となりました。

収録楽曲は、SIONの独特な世界観が表現されており、特に「街は今日も雨さ」や「クロージング・タイム」は彼の音楽の基盤を築く重要な曲です。「クロージング・タイム」は、続くアルバム『春夏秋冬』（1987年）にも再録音版が収録され、SIONの音楽性の発展を示してくれます。また「ノック・オン・ザ・ハート」は、ミニ・アルバム『KNOCK ON THE HEART』（1986年）に再録されたりと、彼の楽曲はその後も多くの形で再登場します。

参加ミュージシャンとスタッフ

本作では、SIONが主にボーカル、アコースティック・ギター、そしてハーモニカを担当しています。さらに、下谷一夫がドラムス、秋元良一がベース、小山英樹がアコースティック・ピアノとオルガン、松田文隆がギター、そして藤井康一がB面の2曲目にサックスソロを加えました。このように、さまざまな才能が結集した作品となっています。

プロデューサーはSION自身とその仲間たちであり、レコーディングには中里正男がエンジニアとして参加しました。また、ビジュアル面ではにしむらみきによるカバー・デザインや福地ひろみによる写真撮影が際立っています。これらの要素が相まって、アルバム全体の完成度を高めています。

このミニ・アルバムは、SIONの音楽キャリアにおいて特別な位置を占めており、彼のファンや音楽に興味を持つ人々にとって、聴く価値のある作品であることを示しています。

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