新宿歌舞伎町ディスコナンパ殺傷事件

新宿歌舞伎町ディスコナンパ殺傷事件

新宿歌舞伎町ディスコナンパ殺傷事件は、1982年6月6日に千葉県千葉市（現：花見川区）で発生した痛ましい強盗殺人事件です。二人の女子中学生が被害に遭い、一人が死亡、一人が軽傷を負いました。犯人は逮捕されないまま、事件は未解決のまま公訴時効を迎えています。

事件の概要

被害者AとBは、当時14歳の中学生でした。Aは、祖父の死をきっかけに東京都港区に引っ越し、転校。事件直前の5月には、BがAの家に遊びに来ていましたが、5月30日から行方不明となり、Aの母親が警察に捜索願を提出していました。

事件当日、二人は歌舞伎町のディスコなどで遊んでいました。そこで若い男に声をかけられ、新宿駅東口のマクドナルドでジュースを飲んだ後、「ドライブに行こう」と誘われます。午前4時30分頃、男の車に乗り込み、都内のゲームセンターなどを巡った後、千葉県方面へ向かいました。

犯行現場となった千葉市横戸町で、Bが眠りから覚めるとAの姿がなく、不審に思ったところを男に襲われました。Bは殴られた上に首を絞められ失神。目を覚ますと、近くの笹薮の中にAの遺体がありました。午前11時50分頃、通行人が通報し、事件が発覚しました。

捜査

司法解剖の結果、Aの死因は首を切られたことによる失血死と判明しました。また、両足のアキレス腱も切断されていました。Bの証言や怪我の状況から、二人が襲われたのは午前8時以前と推定されました。

千葉県警と警視庁は合同捜査本部を設置し、捜査を開始。現場は国道から少し入った人通りの少ない場所で、土地勘のある者の犯行が疑われました。凶器はA型の血液が付着した果物ナイフで、近くからビニールホースも発見されました。

捜査の結果、Aの所持金がなくなっていたことや、現場に争った跡があったことから、強盗目的の犯行が推測されました。一方で、犯人が車内に殺害道具を準備していたことから、快楽殺人の可能性も視野に入れられました。

警察は似顔絵を配布し、歌舞伎町のディスコなどを捜索。Aが暴走族と交流があったことや、現場付近が暴走族の集会場所となっていたことから、暴走族関係者も捜査対象となりました。

しかし、犯人は特定されず、事件は未解決のまま公訴時効を迎えることとなりました。

犯人の特徴

Bの証言から、犯人の特徴は以下の通りです。

20歳から25、6歳
身長約170センチメートル
浅黒い丸顔、目尻が上がった大きな目と太い眉毛、首まで伸びたパーマ、サングラス
白地に赤い線の入ったシャツ、紺色のズボン
赤か小豆色の2000ccクラスの4ドア乗用車（スポーツカー風、角型前照灯、品川ナンバー）
「XX大学の学生」、「姉と弟がいる」、「車は親に買ってもらった」などと話す

また、現場に残された足跡から、靴はアメリカ製のバスケットシューズ（25～26センチメートル）と特定されました。

影響

事件報道を受け、歌舞伎町の深夜営業ディスコに対し、犯罪・非行防止のための行政指導が行われました。

関連項目

* オールナイトロング (映画)

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