新島旧邸

新島旧邸とは

新島旧邸は、京都市上京区に位置している同志社の創立者、新島襄の旧邸であり、その建物は1878年に完成しました。和洋折衷のデザインによるこの住宅は、京都市指定の有形文化財として、現在も学校法人同志社によって管理されています。この邸宅は、同志社発祥の地とされる場所にあり、すぐ近くには京都御苑があります。

建設の歴史

新島旧邸が建設された地は、1875年に同志社英学校が開校された際に、一時的な校舎として借りていた高松保実の邸宅跡です。その翌年、新島は八重夫人（山本覚馬の妹）と結婚し、友人からの寄付を受け、自宅の建設を決めました。新島自身が設計したこの住宅は、1878年に竣工しました。この家は新島夫妻の私邸であると同時に、学校の学生にも利用され、教室や礼拝堂としても機能しました。

1907年、新島襄が亡くなった後、八重夫人はこの家を同志社に寄付しました。彼女は1932年にこの邸宅を後にしました。1985年には、邸宅全体が京都市の指定文化財に認定され、1990年には大規模な修理が行われました。

建築の特徴

この建物は、和洋折衷式の母屋と付属屋から成り立っています。母屋は木造の2階建てで、洋風のコロニアルスタイルを取り入れ、三方向にベランダが設けられています。室内は和風の造りが基礎となっており、柱が露出した真壁造りや田の字型の間取りが特徴的です。また、日本的な欄間や箱階段も取り入れられています。

さらに、新島旧邸は当時としては珍しい中央暖房を完備しており、冬に備えた暖炉も設置され、夏の快適性のために床を高くする工夫がなされていました。初期の洋式トイレの一つとして、木製の腰掛け式のトイレも整備されていました。

付属屋は、平屋の日本建築で、新島襄が両親の隠居所として建設しました。これもまた当時の日本の建築様式の一例を示しています。

アクセスと見学

新島旧邸へのアクセスは、京阪電気鉄道の神宮丸太町駅から徒歩約10分、または京都市営地下鉄の丸太町駅から徒歩約15分と便利です。市営バスの「河原町丸太町」停留所からも徒歩約5分で到着します。

見学は通常公表時に邸宅の外観を見ることができますが、卒業式やオープンキャンパスなどの特別な行事の際には、母屋や付属屋の内部も見学可能となります。団体での訪問の場合には、事前の申し込みが必要です。

周辺情報

周囲には、京都御苑や京都市歴史資料館、日本基督教団洛陽教会など、訪れる価値のあるスポットが多く点在しています。新島旧邸は歴史的価値を持ち、訪れる人々に深い印象を与える場所です。

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