新常磐交通北営業所

新常磐交通北営業所について

新常磐交通北営業所は、福島県双葉郡浪江町高瀬に位置する新常磐交通の営業所です。主に双葉郡内と南相馬市原町区の路線を担当しており、富岡車庫と原町車庫を配下に持っています。

概要

1980年代に富岡営業所、浪江営業所、原町営業所を統合して誕生しました。かつては広範囲な路線網を誇っていましたが、2011年の東日本大震災とそれに伴う福島第一原子力発電所事故の影響で、営業所は閉鎖され、担当路線は全て運休となりました。原町車庫所属の車両は、一時的にいわき中央営業所に転籍しましたが、ナンバープレートはそのまま使用されています。

2017年4月には富岡町の避難指示一部解除に伴い、いわき駅と富岡駅を結ぶ急行路線や富岡町内循環線が開設されました。その後、2018年4月には富岡駅と川内村を結ぶ路線、2021年4月には富岡駅とFH2R（福島水素エネルギー研究フィールド）を結ぶ路線が開通し、徐々に運行が再開されています。しかし、相双地区の多くの路線は依然として運休中です。

沿革

1949年12月15日：富岡出張所開設
1951年9月10日：原町出張所開設
1957年8月23日：小高営業所開設
1960年5月3日：原町出張所が営業所に昇格
時期不明：浪江営業所開設、富岡出張所が営業所に昇格
時期不明：浪江・富岡・原町の3営業所を統合し、北営業所が発足。旧富岡・原町営業所はそれぞれ車庫として存続
2011年3月11日：東日本大震災の影響で営業所が操業不能に
2018年4月1日：富岡車庫が営業を再開

所管系統

現在運行中の路線

現在、運行されている主な路線は以下の通りです。一部路線はいわき中央営業所が担当しています。

(41)（急行）いわき駅 - 富岡駅線: いわき駅と富岡駅を結ぶ急行路線で、途中の主要な停留所のみに停車します。平日4往復、土曜日3往復の運行で、日祝日は全便運休です。
(42)富岡町内循環線: 富岡駅前を起点に、町内を循環する路線です。平日・土曜日ともに6往復運行し、日祝日は運休します。
(43)富岡駅前 - 川内線: 富岡駅前と川内村を結ぶ路線で、夜ノ森駅西口を経由します。平日のみ1日3往復運行で、土休日は運休です。
(46)浪江町役場 - FH2R線: 浪江町役場とFH2Rを結ぶ路線です。1日4往復運行し、土休日運休です。
(47)富岡駅前 - FH2R線: 富岡駅前とFH2Rを結ぶ路線です。1日4往復運行し、土休日運休です。

運休中の路線

東日本大震災以降、以下の路線が運休となっています。

富岡車庫担当: 富岡駅や周辺地域を結ぶ路線。
原町車庫担当: 原町駅周辺の一般路線や、南相馬市民号として運行されていた路線。
北営業所担当: 全路線が双葉町民バスとして運行されていた路線。
高速バス: いわき号（東京 - いわき・富岡線）

過去の路線

かつて運行されていた廃止路線は以下の通りです。

原町駅と小高駅、浪江駅を結ぶ路線。
原町駅と周辺地域を結ぶ路線。
小高駅と周辺地域を結ぶ路線。
* 富岡駅と広野駅、浪江駅、平駅（現いわき駅）を結ぶ路線

車両

東京電力福島第一・第二原子力発電所の通勤バスや構内巡回バスの運行を受託していたため、貸切兼用車が多く配置されていました。北営業所所属車のナンバーは、営業所所在地により、いわきナンバーと福島ナンバーの2種類が存在していました。北営業所の車両にはバスカードリーダーがないため、バスカードの利用はできません。

新常磐交通北営業所は、地域住民の重要な足として、復興とともにその役割を再び果たし始めています。今後の路線拡充と利便性向上が期待されます。

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