新常磐交通

新常磐交通株式会社について

新常磐交通株式会社は、福島県浜通り地方を中心に路線バス、高速バスを運行するバス会社です。地域の人々の生活に欠かせない公共交通機関として、重要な役割を担っています。

歴史

新常磐交通は、もともと常磐交通自動車という会社でしたが、経営状態が悪化したため、2006年に新旧分離方式による再建が行われました。常磐交通自動車の事業は子会社だった常交中小型自動車に譲渡され、社名も新常磐交通に変更されました。同時に、創業家が経営から退き、東京都のタクシー会社グリーンキャブが出資し、同社の100%子会社となっています。

東日本大震災の影響

2011年の東日本大震災では、新常磐交通も大きな被害を受けました。福島第一原子力発電所事故の影響で、警戒区域などに指定された地域ではバスの運行ができなくなり、高速バス路線も一部運休を余儀なくされました。さらに、風評被害による貸切バスのキャンセルも相次ぎ、経営に大きな打撃を受けました。

近年の取り組み

近年では、新型運賃箱の導入や燃料電池バスの導入など、サービスの向上に努めています。また、地域連携ICカード「LOCOCA」の導入により、利便性の向上も図られています。しかしながら、深刻な乗務員不足や働き方改革の影響を受け、2024年4月には大幅なダイヤ改正を実施し、一部路線では運休も発生しています。

事業内容

新常磐交通は、主に以下の事業を行っています。

路線バス事業：福島県浜通り地方を中心に、地域の人々の生活を支える路線バスを運行しています。
高速バス事業：東京、仙台、郡山、会津若松など、都市間を結ぶ高速バスを運行しています。
その他事業：人材派遣業、不動産賃貸業も行っています。

車両

新常磐交通では、いすゞ自動車と日野自動車の車両を中心に、様々なメーカーのバスを運行しています。かつては観光バス「スワン号」にネオプランやUDトラックスのダブルデッカーが配備されていましたが、維持コストや老朽化のため、早期に廃車となりました。一般路線バスでは、移籍車が中心となっていますが、近年では自社発注の車両も導入しています。

営業所・窓口

新常磐交通には、いわき中央営業所と北営業所の2つの営業所があります。また、いわき駅前、小名浜、植田駅前、湯本駅前の各案内所では、回数券や定期券、高速バス乗車券などを販売しています。その他、郡山、仙台、福岡、東京、大阪にも事務所があります。

高速バス路線

新常磐交通は、以下の高速バス路線を運行しています。

いわき号：いわき - 東京（JRバス関東、東武バスセントラルと共同運行）
小名浜・いわき駅 - 仙台駅東口
小名浜・いわき駅 - 福島駅東口・福島競馬場（福島交通と共同運行）
小名浜・いわき駅 - 郡山駅 - 会津若松駅・鶴ヶ城（福島交通、会津乗合自動車と共同運行）
湯本駅・いわき駅 - 福島空港（中小型事業部の運行）
いわき・日立 - 東京ディズニーランド・東京ディズニーシー（茨城交通・京成トランジットバスと共同運行）
いわき市内 - 郡山運転免許センター・なりた温泉

乗車券

一般路線では、現金、バスカード、回数券、定期券が利用できます。また、65歳以上の方向けの「ゴールドパス」、学生向けの「スチューデントパス」も発行されています。高速バスについては、公式サイトを参照してください。

まとめ

新常磐交通は、福島県浜通り地方の交通を支える重要な公共交通機関です。地域の人々の生活を支えながら、様々な困難を乗り越え、今後も地域に根ざしたバス会社として発展していくことが期待されます。

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