新広島ホテル

新広島ホテルの歴史

新広島ホテル（しんひろしまホテル）は、広島県広島市中区にあった歴史的なホテルで、県内で特に重要な役割を担っていました。このホテルは、広島平和記念公園内の広島平和記念資料館に隣接しており、株式会社新大阪ホテル（現・株式会社リーガロイヤルホテル）の系列ホテルとして知られていました。1955年3月4日、そのオープンを迎えました。

開業の背景

新広島ホテルの建設には、地元財界の大きな期待が寄せられました。特に、山陽木材防腐の社長である田中好一氏は、1953年に「広島に立派な公会堂とホテルと物産陳列館をつくることが私の夢だ」と語り、この夢に賛同した財界人たちが建設を決定しました。広島平和公園自体は1954年に完成し、ホテルの建設はその整備作業と並行して行われました。

新広島ホテルは、開業以来、広島における迎賓館としての役割を果たし、広島平和記念式典に出席する貴賓から多くの支持を受けました。ホテルの内装やサービスは、顧客に高い評価を受けていました。

映画と歴史的イベントの舞台

このホテルは、1959年に公開された映画『ヒロシマ・モナムール（二十四時間の情事）』のロケ地としても知られ、当時の様子を画面を通じて感じることができます。また、同年12月には駐日アメリカ大使として初めて来広したダグラス・マッカーサー2世が、ここで米軍核軍縮に関する演説を行っています。これは、当時の国際政治における重要なイベントの一つでもあり、政治的意味合いを持ちました。

その他にも、1959年7月25日には革命家チェ・ゲバラがこのホテルに宿泊したという情報もあり、その名声をさらに高める要因となったのです。

法的問題と閉館

しかし、時は経つにつれ、ホテルは1972年2月に広島市監査委員会から都市公園法に違反しているとの指摘を受けることになります。是正措置を求められ、結果として同年の中旬に2年以内の閉館が決定されました。スタッフは、1962年に開業した『広島グランドホテル』に異動し、1973年5月31日に新広島ホテルはその歴史に幕を閉じました。

その後、新広島ホテルの流れは1994年に開業した『リーガロイヤルホテル広島』が引き継いでいます。

現在

新広島ホテルおよび広島市公会堂は1989年に改築され、現在では広島国際会議場として利用されています。このように、新広島ホテルは歴史的な背景を持つ建物として、多くの人々に記憶され続けています。

沿革

• - 1955年3月4日: 新広島ホテル開業
• - 1962年5月25日: 系列の広島グランドホテル開業
• - 1972年2月1日: 都市公園法違反を指摘される
• - 1972年2月12日: 2年以内の閉館が決定
• - 1973年5月31日: 新広島ホテル閉館

新広島ホテルの経営は、株式会社新広島ホテルが行っており、この会社は新大阪ホテルの系列会社として設立されました。最終的に、1996年にはリーガロイヤルホテルに吸収合併され、現在に至っています。

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