新日本石油精製

新日本石油精製株式会社：日本の石油精製業界における歴史と統合

新日本石油精製株式会社は、かつて日本において石油製品や石油化学製品の製造を主要事業としていた企業です。新日本石油株式会社の子会社として、国内の石油精製業界において重要な役割を果たしていました。本稿では、同社の歴史、事業内容、そしてJX日鉱日石エネルギー株式会社（現ENEOS）との合併に至るまでの経緯を詳細に解説します。

主要事業と製油所ネットワーク

新日本石油精製株式会社の事業の中核は、原油の精製と石油製品の製造でした。全国に点在する複数の製油所を擁し、多様な石油製品を供給していました。その規模は国内有数で、特に根岸製油所は日本最大級の原油処理能力を誇っていました。主な製油所は以下の通りです。

室蘭製油所（北海道室蘭市）: 180,000バレル/日
仙台製油所（宮城県仙台市）: 145,000バレル/日
根岸製油所（神奈川県横浜市）: 340,000バレル/日（日本最大規模）
大阪製油所（大阪府高石市）: 115,000バレル/日
水島製油所（岡山県倉敷市）: 250,000バレル/日
麻里布製油所（山口県玖珂郡和木町）: 127,000バレル/日
大分製油所（大分県大分市）: 160,000バレル/日

これらの製油所は、ガソリン、軽油、灯油などの石油製品を製造し、日本全国の需要を支えていました。また、川崎製造所、横浜製造所といった製造拠点も有し、石油化学製品の製造にも携わっていました。

設立から合併まで：数々の合併と事業統合

新日本石油精製株式会社の歴史は、1951年10月1日の日本石油精製株式会社の設立に始まります。日本石油（後の新日本石油）とアメリカのカルテックス（現シェブロン）の合弁企業として設立され、横浜製油所と下松製油所を日本石油より継承しました。その後、東洋石油精製との合併、社名変更、そして新日本石油加工など他社との合併を繰り返し、事業規模を拡大していきました。

重要な出来事としては、以下のものがあげられます。

1975年: 東洋石油精製株式会社の合併
1999年: 日石三菱精製株式会社に商号変更、三菱石油水島製油所の移管
2002年: 興亜石油株式会社、東北石油株式会社の合併、新日本石油精製株式会社に商号変更
2006年: 新日本石油加工株式会社の合併
2008年: 新日本石油化学株式会社の吸収合併、川崎製造所発足

これらの合併・統合によって、新日本石油精製株式会社は、日本を代表する石油精製企業へと成長しました。しかし、2010年7月1日、新日本石油株式会社、ジャパンエナジー株式会社とともにJX日鉱日石エネルギー株式会社（現ENEOS）に合併、事業統合されました。この統合は、日本のエネルギー業界における大きな転換点となりました。

ENEOS統合後の影響

新日本石油精製株式会社は、ENEOSへの統合後、独立した企業としては存在しなくなりました。しかし、その歴史と事業は、現在のENEOSの基盤を形成する上で重要な役割を果たしました。特に、かつての製油所は現在もENEOSの重要な生産拠点として稼働し続けています。

新日本石油精製株式会社は、日本の石油精製業界における歴史を刻んだ企業でした。その歴史と業績は、日本のエネルギー産業の発展に大きく貢献しました。

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