新朝日ビルディング

新朝日ビルディング：大阪中之島の歴史的建造物

大阪市北区中之島に位置していた新朝日ビルディングは、1958年4月3日に開業した地上13階地下2階建てのビルです。朝日新聞大阪本社に隣接する立地で、建設前はスケートリンクとして利用されていた歴史も持っています。

このビルは、単なるオフィスビルとしてだけでなく、大阪の文化発展にも大きく貢献しました。1962年から1994年まで屋上には朝日ヘリポートが設置され、公共のヘリポートとして機能していました。また、開局当初のFM大阪は、このビルの屋上から電波を発信していました。大阪府全域への電波到達と24時間体制のメンテナンスアクセスを両立できる条件を満たしていたため、この場所が選ばれたのです。

朝日放送（ABC）も、1966年の移転まで本社とラジオ部門をこのビルに置いていました。ピーク時には、朝日新聞大阪本社関連の企業、日刊スポーツ大阪本社、リーガグランドホテル、そして有名なフェスティバルホールやリサイタルホールといった文化施設も入居していました。ABCの大阪お天気カメラも、このビルの屋上に設置されていました。

新朝日ビルディングは、長年にわたって大阪の街並みに溶け込み、多くの人の記憶に刻まれた存在でした。しかし、老朽化が進むにつれ、建て替えが検討されるようになりました。

中之島フェスティバルタワーへの再生

朝日新聞グループは、新朝日ビルディングを含む3棟の建物の老朽化を受け、2007年4月に「大阪・中之島プロジェクト」を発表しました。このプロジェクトでは、老朽化した3棟を2棟の超高層ビルに建て替える計画が立てられました。

新朝日ビルディングは、2009年3月から解体工事が開始され、同年中に完了しました。その後、跡地には新たな超高層ビル「中之島フェスティバルタワー」東地区棟の建設が始まり、2012年11月6日に完成しました。この新しいビルには、フェスティバルホールや朝日新聞大阪本社などが移転しました。

西側にあった2棟のビルも、2017年4月に建て替えられ、高さ200mのツインタワーとして完成しました。この再開発によって、中之島エリアは大きく変貌を遂げました。

三菱UFJ銀行中之島支店は、新朝日ビルディングの建て替え期間中、仮移転を経て、「中之島フェスティバルタワー」東地区棟の26階に再移転しました。

新朝日ビルディングは、その歴史と機能から、単なるビルではなく、大阪の歴史を語る上で重要な役割を果たした存在でした。その跡地に建つ中之島フェスティバルタワーは、新たな時代のランドマークとして、大阪の街を見守っています。

交通アクセス

最寄りの駅は、大阪市営地下鉄四つ橋線肥後橋駅です。駅から徒歩2分の距離にありました。

関連事項

* 朝日新聞ビル

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