新木山古墳

新木山古墳の概要

新木山古墳（にきやまこふん）は、奈良県北葛城郡広陵町赤部に位置する古墳で、前方後円墳という特異な形状を持っています。この古墳は馬見古墳群の一部であり、古代の高貴な人物を埋葬するために築かれたもので、その実際の被葬者は不明ですが、宮内庁によって「三吉陵墓参考地」として指定されています。ある説では、第30代敏達天皇の皇子である押坂彦人大兄皇子が埋葬されていると考えられています。

立ち入り禁止の状態と構造

新木山古墳は宮内庁の管理下にあり、そのため一般市民が直接立ち入ることはできません。しかし、古墳の詳細な構造はまだ多くの人に知られています。この古墳は南北に延びる低い丘陵の上に築かれており、東側に小さな支丘を利用して作られています。墳丘の主軸は概ね東西方向に伸びており、特に両端には造り出しが見られ、巣山古墳の特徴に似ていることが指摘されています。

その周囲には濠があり、後円部では約18メートル、前方部では約22メートルの幅を持っています。外堤の痕跡も残されており、その部分は水田や畑の畦畔として利用されています。かつては幅約20メートル、高さも3メートル以上あったと推定されています。

埴輪と遺物

墳丘内からは埴輪列が見つかっていることが確認されており、貴重な出土品として勾玉や管玉、棗玉といった装飾品が宮内庁によって所蔵されています。これらの埴輪の中には、方形とともに透かし模様のあるものや黒い斑点がある円筒の埴輪もあり、これらの考古的資料から、新木山古墳は5世紀前半に築造されたとされています。

また、この古墳は馬見古墳群中央群に存在する最後の大型の前方後円墳であり、歴史的価値が高いとされています。

周囲の古墳

新木山古墳に隣接する位置には、三吉石塚古墳（県指定史跡）もあります。この古墳は主軸を共有し、外提に接して築かれています。新木山古墳と同様に、地域の歴史や文化の理解を深める上で重要な役割を果たしています。

結論

新木山古墳は、奈良県において古代の埋葬文化やその時代の人々に関する貴重な情報を提供する重要な遺跡です。この古墳を通じて、奈良時代やそれ以前の古代日本の文化や社会について学ぶことができるでしょう。観光地としても興味深いスポットであり、地域の歴史に触れる機会を提供しています。

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