新札幌乳業

新札幌乳業株式会社

会社概要と沿革

新札幌乳業株式会社は、北海道札幌市厚別区に本社および工場を構える独立系の乳業メーカーです。その歴史は古く、1953年（昭和28年）4月に「札幌市厚別酪農業協同組合」として設立されたのが始まりです。当初は地域の酪農家が集まり、バターや牛乳といった乳製品の生産・供給を目的として活動を開始しました。

事業は着実に拡大し、1958年（昭和33年）9月にはバターの製造許可を取得し、本格的な生産を開始。続いて1960年（昭和35年）4月には、一般消費者向けの市乳事業にも乗り出しました。容器包装の進化にも対応し、1973年（昭和48年）2月には1000mlの紙容器（ブロックパック）の営業許可を得ています。品質向上を目指し、1974年（昭和49年）8月には牛乳の殺菌工程を効率化・高度化するため、UHTプレート殺菌機を導入しました。

1978年（昭和53年）5月には乳飲料や清涼飲料の製造室を改築するなど、製品ラインナップ拡充に向けた設備投資も進められました。事業規模の拡大に伴い、工場機能の強化が必要となり、1982年（昭和57年）6月には現在の札幌市厚別東の所在地に工場を移転。この移転を機に、1983年（昭和58年）2月には新たにヨーグルトとプリンの製造を開始し、デザート分野にも参入しました。1987年（昭和62年）3月には、ヨーグルトデザートの充填作業を効率化するため、全自動充填マシンを設置するなど、生産体制の近代化を図りました。

そして、設立から約36年を経た1989年（平成元年）4月1日、組織形態を協同組合から株式会社へと変更し、「新札幌乳業株式会社」として新たなスタートを切りました。法人化後も積極的な事業展開は続き、1990年（平成2年）4月には「さわやか牛乳」の製造を開始。1995年（平成7年）3月には第2工場が完成し、生産能力を大幅に増強しました。1997年（平成9年）4月には地上4階建ての新社屋が竣工すると同時に、新たにチーズ製造室を設けてチーズの製造を開始し、製品ポートフォリオをさらに充実させました。

2003年（平成15年）3月には、前身である組合の創立から50周年の節目を迎えました。その後も持続的な成長を見据え、2004年（平成16年）5月には最新鋭の工場建設に着手。食品安全の国際的な基準であるHACCPに対応した新工場が2005年（平成17年）5月に完成しました。翌2006年（平成18年）4月には、首都圏への販路拡大を目指して関東営業所（現：東京営業所）を開設。新工場の完成を経て、2007年（平成19年）5月にはHACCP認証を取得し、食品安全管理体制の強化を対外的に示しました。

近年は、自社ブランドの育成にも力を入れており、2009年（平成21年）4月には高品質な乳製品を提供する「北海道小林牧場物語」ブランドを立ち上げました。また、品質管理の国際規格取得にも積極的に取り組み、2012年（平成24年）4月には殺菌乳部門がSQF認証を、2020年（令和2年）1月には市乳部門がFSSC22000認証を取得しています。これにより、さらなる安全性の向上と国際的な信頼性の獲得に努めています。

生産設備の刷新・増強も継続的に行われており、2015年（平成27年）には生乳貯乳タンクの設置、ヨーグルトチルドカップ充填機の導入、牛乳冷却装置の増強、チーズ部門の増床、業務用牛乳充填機の導入、冷蔵庫内パレタイザーの設置などを実施。2016年（平成28年）以降も飲むヨーグルトの発酵タンクや充填ラインの増強・更新、牛乳無菌サージタンク、業務用BIB自動充填機の導入など、多岐にわたる投資を行い、生産効率と製品品質の維持・向上に努めています。

主な製品と特徴

新札幌乳業では、設立当初からのバターや牛乳に加え、ヨーグルト、プリン、そして近年力を入れているチーズなど、幅広い種類の乳製品を製造しています。特に「北海道小林牧場物語」ブランドのもと、厳選された生乳を使用した高品質な製品を提供しており、消費者から好評を得ています。

同社の手づくりチーズは、その品質が専門家からも高く評価されています。ALL JAPANナチュラルチーズコンテストにおいて、手づくりカマンベールチーズは第4回、手づくりカッテージチーズは第6回、そして手づくりブルーチーズと手づくりゴーダチーズは第7回でそれぞれ優秀賞を受賞しており、国内のチーズ製造における高い技術力と品質が証明されています。

所在地

本社・工場: 〒004-0014 北海道札幌市厚別区厚別東4条1丁目1番7号
東京営業所: 〒110-0016 東京都台東区台東3丁目31番4号 パーク・グランディ201号

外部リンク

新札幌乳業株式会社
有限会社小林牧場

（注：上記外部リンクは提供情報に基づきますが、実際にアクセス可能か保証するものではありません。）

新札幌乳業株式会社は、協同組合時代から培ってきた信頼と技術を基盤に、常に新しい製品開発と品質管理の徹底に努めることで、北海道から全国へ安全でおいしい乳製品を届け続けています。今後も時代の変化に対応しながら、酪農と乳業の未来を支える重要な存在であり続けるでしょう。

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