新橋駅前ビル

新橋駅前ビルの概要

新橋駅前ビルは、JR新橋駅東口の駅前広場と国道15号（第一京浜）の間に位置する、1号館と2号館からなる複合施設です。都道とゆりかもめ新橋駅を挟んで南北に建物が分かれています。この場所は、かつて「狸小路」という名の飲み屋街でしたが、1964年の東京オリンピック後に市街地改造事業が行われ、1966年に現在のビルが竣工しました。

特徴的な外観

ビルは、縦に溝が入ったプロフィリットガラスを格子状に配した外観が特徴です。このガラスは、独特の雰囲気を作り出し、ビルの個性を際立たせています。

ビルの構成

地下から地上2階は店舗フロアとなっており、地権者の店舗に加え、東京都による分譲店舗も存在します。かつての狸小路の雰囲気を残しており、飲食店を中心に多くの店舗が入居しています。特に、開業当初から営業している「ビーフン東」は、作家の池波正太郎がよく訪れた店として知られています。これらの飲食店街は、新橋駅の向かいにあるニュー新橋ビルとともに「サラリーマンのオアシス」として親しまれています。

3階から9階はオフィスフロアで、9階には地権者用の住居も設けられています。かつては日本ヘラルド映画のオフィスや試写室もビル内にありました。また、1962年から1977年までは常磐急行交通の長距離バスがビル付近を発着していました。

ビルのエントランスには、この土地の由来を示す「狸広（たぬこう）」という愛称の巨大なタヌキのモニュメントが設置されています。

映画やドラマのロケ地

新橋駅前ビルは、その独特な外観から、新橋の都市風景を象徴するランドマークとして、多くの映画やドラマに登場しています。例えば、映画『ゴジラ』（1984年）では、主人公が勤務する新聞社屋として、映画『男はつらいよ 寅次郎の休日』（1990年）では、新幹線のシーンにおける東京の風景の一部として登場しました。また、映画『東京原発』（2004年）では、ビルの外観がゆりかもめ駅とともにロケに使用されました。近年では、2024年のドラマ『アンチヒーロー』で、主人公たちの法律事務所があるという設定で、ビルの外観や屋上がロケ地として使われています。

再開発計画

新橋駅前ビルを含む地権者たちは、2017年に「新橋駅東口地区再開発協議会」を発足させ、再開発計画を進めています。この計画は、第一京浜、外堀通り、新橋駅に囲まれた約1.9ヘクタールの三角形の区域を対象としています。既存の建物は2022年から解体する予定でしたが、新型コロナウイルスの影響や、西口再開発との調整、ガイドプランの作成などの理由で計画は遅れています。

事業協力として大成建設、ダイビル、トヨタ不動産が、主幹事として三井不動産、日建設計が参画しており、港区、東京都、各鉄道会社との協議を進めています。2024年9月には準備組合の結成が予定されており、今後、再開発に向けた具体的な動きが加速すると予想されます。

関連情報

大阪駅前ビル
ニュー新橋ビル

外部リンク

* 新橋駅前ビル商店会

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