新歌舞伎座 (大阪)

新歌舞伎座の魅力と歴史

新歌舞伎座は、大阪府大阪市天王寺区上本町6丁目の上本町YUFURA内に位置する劇場で、2010年9月に開場しました。この劇場は、上方歌舞伎の重要な拠点として、観劇に訪れる人々を惹きつけています。また、本項では2009年に閉館した初代新歌舞伎座の歴史にも触れます。

初代新歌舞伎座の歴史

初代新歌舞伎座は1958年に大阪市難波にオープンしましたが、その背後には上方歌舞伎の困難な時代がありました。長きにわたる中村鴈治郎の独自の支配体制により、他のスターの育成や企画力が不足し、上方歌舞伎界は次第に衰退の道を辿ることとなりました。1954年には内紛によって多くの有望な若手が松竹を脱退し、歌舞伎界は深刻な状況に置かれました。このような中、松竹社長の大谷竹次郎は、新たな経営戦略を模索し、千土地興行の経営再建を目指しました。

新歌舞伎座は1958年に開場し、観光劇場としての新しいスタイルを打ち出しました。従来の歌舞伎に加え、タレント芝居などを取り入れ、幅広い客層をターゲットにした誘客を目指しました。しかし、初日には多くの波乱があり、舞台装置のトラブルや出演者の不在などが相次ぎ、思い出深い初日となりました。

哲学と公演内容

初代新歌舞伎座では、観光劇場としての方針が強調されたため、伝統的な歌舞伎は次第に影を潜めていきました。俳優たちはエンターテイメント性を追求し、幅広いジャンルの公演が行われました。このような状況下、歌舞伎愛好者たちは「上方歌舞伎を護る七人の会」を結成し、保護活動に努めました。

三波春夫のワンマンショーが定期的に開催され、その人気を背景に、歌舞伎的要素を取り入れた公演が行われましたが、徐々に歌舞伎のプログラムは減少し、1990年代にはテレ・映画スターが主体の演劇として定着していくこととなりました。

2代目新歌舞伎座の開場

約50年の歴史を経た初代新歌舞伎座は、老朽化が進んだため、2007年に近鉄劇場跡地へ移転することが決まりました。再開発ビル「上本町YUFURA」の中にある新劇場は、2010年にオープンし、現代的なデザインと設備で新たな観劇体験を提供します。新劇場の客席は1638名収容可能で、観客が落ち着いて観劇できるよう設計されています。

新歌舞伎座は、今では大阪の文化的な中心地として、その独自の魅力を発信し続けています。これからも新しい公演やイベントを通じて、訪れる人々に感動を提供していくことでしょう。

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