新潟大火

新潟大火

「新潟大火」は、新潟県新潟市において明治時代以降に複数回発生した大規模な火災と、それによる甚大な被害の総称です。これらの火災は多くの家屋や建物を焼き尽くし、街の景観や都市機能に大きな影響を及ぼしました。本項目では、特に被害が大きく、その後の街づくりにも影響を与えた1880年（明治13年）と1908年（明治41年）の二つの主要な大火について記述します。

1880年（明治13年）の大火

明治13年8月7日未明、午前1時頃に上大川前通6番町から出火。火は鎮火まで約16時間燃え続け、同日午後5時に収束しました。

この火災は西堀通から上大川前通の下地区、そして海沿いの西大畑から夕栄町に至る広範囲に延焼。その結果、新潟町の6割を超える6,000戸以上の建物が焼失しました。警察署、監獄署、郵便局、小学校などの公共施設や、第四国立銀行、米商会所、物産会社といった経済関連施設も多数焼失し、街は壊滅的な被害を受けました。

1908年（明治41年）の大火

明治41年は、新潟市が短期間に二度の大規模火災に見舞われた年でした。

3月の大火（若狭屋火事）

この年の最初の火災は、3月8日に古町通8番町の芸妓置屋「若狭屋」から発生。市内中心部に延焼し、1,198戸を焼失させました。

この火災で、信濃川に架かる木造の初代萬代橋が炎上・焼失したことは特筆されます。出火元の名から、「若狭屋火事」または「芸者屋火事」とも呼ばれました。

9月の大火

わずか半年後の9月4日、再び新潟市は古町通3番町からの出火による大規模火災に見舞われました。

この火災は市内の広範囲に延焼し、3月を上回る2,076戸を焼失。市役所、警察署、師範学校といった重要な官公庁や学校施設が多数焼失し、都市機能に深刻な影響が及びました。

大火後の都市整備

1908年の二度の火災は、新潟市に大きな被害をもたらしましたが、その後の都市構造や防災対策を見直す契機となりました。

特に、商業街の柾谷小路は延焼防止のため、従来の約9メートル（5間）から倍の約18メートルへと拡幅されました。また、焼失した公共施設は、火災に強い洋風建築で再建が進められ、安全で近代的な都市づくりへと繋がりました。

もう一度検索