柾谷小路

柾谷小路：新潟の中心地を彩る歴史と現代が交差する道

新潟市中央区に位置する柾谷小路は、国道7号や国道116号の一部を担う、古町を貫く重要な道路です。新潟駅から万代シテイ、そして古町へと続く「都心軸」の一部として、古くから新潟の中枢を担ってきました。江戸時代には幅約6メートルでしたが、明治、昭和期を経て拡幅され、現在では片側3車線の広々とした大通りとなっています。

歴史と変遷：江戸時代から現代まで

その歴史は江戸時代まで遡ります。享保年間の地図には既に「柾屋小路」の名が確認されており、商人・柾屋四郎衛門の名に由来すると言われています。信濃川に架かる萬代橋と繋がり、古町地区の中心として栄え、長らく新潟市街地における交通の要衝でした。萬代橋が信濃川で最も下流の橋であったことから、長年に渡り渋滞問題を抱えていましたが、2002年に柳都大橋や新潟みなとトンネルが開通したことで、状況は大きく改善されました。

1980年代後半からは無電柱化などの景観整備が進められ、現在ではBRT萬代橋ラインも運行するなど、現代的な都市機能も充実しています。明確な区間の定義はありませんが、一般的には萬代橋西詰交差点から東中通に通じる寄居町交差点までを指します。全区間が国道の路線に指定されており、複数の国道が重複しています。

沿道の風景：歴史的建造物から現代建築まで

萬代橋を渡ると、まず目に飛び込んでくるのはホテルオークラ新潟です。1978年の建築当時、新潟市内では最も高いビルディングとして知られていました。その向かい側には、美川憲一の歌碑が建立されており、「新潟ブルース」の歌詞に歌われた萬代橋への想いを伝えています。

柾谷小路を進むと、様々な風景が移り変わります。かつては小さな川・他門川が流れていた鏡橋交差点付近には、かつて多くの旅館が立ち並んでいましたが、現在では減少しています。鏡橋交差点からは、柳都大橋や新潟みなとトンネルへと繋がっています。周辺は2000年頃から大規模な道路網整備が進み、大きく変貌を遂げようとしています。

鏡橋交差点を過ぎると、金融機関が建ち並ぶエリアが現れます。かつては新堀通に新潟証券取引所や新潟商工会議所があったことから、銀行、証券会社、保険会社などが集積し、金融街のような雰囲気を醸し出しています。また、古くから市民の台所として親しまれてきた本町市場も、このエリアに位置しています。本町交差点には新潟市の道路元標があり、複数の国道の起点・終点となっています。

東堀通を越えると、古町地区特有の賑やかな街並みが広がります。古町通のアーケード街は、かつては新潟駅前と並んで多くの人々が行き交う活気ある場所でした。かつては新潟を代表する百貨店であった新潟大和や新潟三越もこのエリアにありましたが、両店はそれぞれ2010年、2020年に閉店しています。大和の跡地には専門学校が建設され、近年の古町地区における学生人口増加の一端を担っています。

西堀通を渡ると、NEXT21という超高層ビルがそびえ立っています。1993年の竣工当時は新潟市内最高層ビルであり、現在も古町のランドマークとして存在感を示しています。西堀ROSAという地下街もこのエリアにあり、柾谷小路からもアクセス可能です。

さらに進むと、寺社が密集する「寺町」があります。近年では、寺町の魅力を見直そうという動きが高まり、観光ツアーなども企画されるようになりました。そして、寄居町交差点で柾谷小路は終わりを迎えます。この交差点を過ぎると、住宅街を経て日本海へと繋がりますが、実際には防砂林もあり、海は見えません。

交通規制と観光

柾谷小路では、午前7時から午後10時までは原則として右折が禁止されています。そのため、右折する際には一度左折して迂回する必要があります。この交通規制は、観光客にとってやや分かりにくい点かもしれません。柳都大橋の開通により、一部交差点での右折規制は緩和されています。

主要建造物

柾谷小路沿道には、ホテルオークラ新潟、NEXT21、新潟三越（旧）、新潟大和（旧）など、歴史的建造物や近代的な高層ビルが立ち並び、多様な建築様式を見ることができます。その他にも、数多くの金融機関や商業施設、公共施設などが集積しており、新潟市の発展の歴史を物語っています。

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