新潟市美術館

新潟市美術館：新潟の美術文化を彩る拠点

新潟市美術館は、新潟市中央区西大畑町に位置する新潟市立の美術館です。1985年10月13日、「みる、つくる、語る」をモットーに開館し、その後、「発見する美術館」「学べる美術館」「生きている美術館」「つながる美術館」「信頼の美術館」という5つの柱を掲げ、運営方針を進化させてきました。

多彩なコレクション：新潟の美術、そして世界へ

同館のコレクションは、「新潟の昨日・今日・明日」「19～20世紀の美術」「21世紀の美術」という3つのテーマに沿って収集されており、2017年3月現在では4,764点にも上ります。

特に、新潟出身の画家、阿部展也の作品は初期から晩年までの1,387点が所蔵されており、その全貌を垣間見ることができる貴重なコレクションとなっています。国内作家では草間彌生の作品85点、海外作家ではウジェーヌ・カリエールの作品30点がそれぞれ注目を集めています。

さらに、1964年から1985年まで新潟放送が運営していた「BSN新潟美術館」の閉館後、その所蔵品も多くが同館に寄託されており、新潟の美術史を深く探求できる資料が数多く保管されています。

前川國男の設計による洗練された空間

美術館の建物は、新潟市出身の著名な建築家、前川國男による設計です。道路を挟んで向かい側にある西大畑公園と共に、前川國男の最晩年の作品であり、1986年にはBCS賞を受賞するなど、建築的にも高い評価を受けています。2012年には、服部一成によるロゴとシンボルマークが導入され、美術館のアイデンティティをより一層明確なものにしています。

2015年には開館30周年を記念して大規模な改修工事が行われ、展示環境の改善や機能性の向上などが図られました。リニューアルオープン後は、より快適で充実した空間で美術作品を鑑賞することができるようになりました。

アクセスと開館情報

美術館へのアクセスは、BRT、観光循環バス、新潟交通バスなど公共交通機関が充実しており、新潟駅から比較的容易にアクセスできます。

開館時間は午前9時30分から午後6時まで。休館日は月曜日（祝日を除く）、祝日・振替休日の翌日（祝日を除く）、年末年始（12月28日～1月3日）です。

過去の問題と今後の発展

過去には、展示作品のカビ発生や昆虫の発生などの問題もありましたが、それらを教訓に、館長の公募、学芸員の採用・育成など、組織強化と施設の改修を進めることで、展示環境の改善と運営体制の強化を図ってきました。2016年には、国宝2点、重要文化財17点を含む「徳川名宝展」を開催するなど、国指定文化財の公開も可能となりました。

周辺環境

美術館周辺には、西大畑公園のほか、旧齋藤家別邸、北方文化博物館新潟分館、安吾 風の館など、歴史的建造物や文化施設が点在しています。これらの施設と合わせて巡ることで、新潟の文化をより深く楽しむことができます。

新潟市美術館は、新潟の美術文化を支える重要な拠点として、これからも地域社会に貢献していくことでしょう。

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