新田義雄 (香川県権令)

新田義雄は、天保14年1月22日（1843年2月20日）に大和国添下郡郡山で生まれ、明治14年（1881年）5月3日に38歳で亡くなった内務官僚です。幼名は弘、通称は三郎、号は凌雲と称しました。彼は、激動の幕末から明治維新にかけて、地方行政と中央官庁の両方で重要な役割を果たしました。

生い立ちと初期のキャリア

新田義雄は、大和国（現在の奈良県）の郡山で生まれました。幼少期については詳しい記録は残っていませんが、明治維新後、新政府に出仕し、そのキャリアをスタートさせます。彼はまず郡山県の大参事に任命され、地方行政の実務に携わりました。その後、中央政府に移り、兵部省七等出仕として軍事行政にも関わるようになります。

中央官庁での活躍

兵部省での勤務を経て、新田は左院五等議官という要職に就き、新政府の政策立案にも携わりました。また、少督学として教育行政にも関与し、明治初期の近代化政策を支える重要な役割を担いました。その後、内務少丞に任命され、内務省の中心的な官僚として活躍します。内務省は、当時の政府において、地方行政、警察、土木など幅広い分野を管轄しており、新田はその運営に大きく貢献しました。

香川県権令としての活動

1875年10月24日、新田義雄は第二次香川県権令に任命されました。権令とは、県知事に相当する官職で、彼は地方行政のトップとして県政を担いました。しかし、香川県は1876年8月21日に愛媛県に編入されることになり、新田は権令を退任しました。香川県権令としての在任期間は短かったものの、地方行政に尽力し、その手腕を発揮したと考えられます。

晩年と死

官僚を退いた後、新田は1880年に沖縄県久米島に渡航します。しかし、そこで病に倒れ、翌1881年5月3日に38歳の若さで亡くなりました。彼の死は、当時の官僚たちにも衝撃を与えたと伝えられています。

新田義雄の人物像

新田義雄は、明治初期の官僚として、地方行政と中央官庁の両方で活躍し、その才能を発揮しました。彼のキャリアは、明治維新という激動の時代において、日本の近代化を支えた官僚たちの姿を象徴していると言えるでしょう。短い生涯ではありましたが、その足跡は日本の歴史に確かに刻まれています。

栄典

1874年（明治7年）2月18日 - 正六位

参考文献

秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
大植四郎編『明治過去帳』新訂初版、東京美術、1971年（原著私家版1935年）。
太政官「郡山県大参事新田義雄外一名兵部省七等出仕被命并御沙汰止ノ件」明治4年。国立公文書館 請求番号：本館-2A-018-00・任Ａ00001100
* 太政官「少督学新田義雄内務少丞ニ被命ノ件 外」明治7年。国立公文書館 請求番号：本館-2A-018-00・任Ａ00019100

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