新田金山城

新田金山城の概要

新田金山城（にったかなやまじょう）は群馬県太田市の中心部に位置し、標高235.8メートルのアカマツに囲まれた独立した山城です。この城は「金山城」または「太田金山城」とも称され、地域の歴史に重要な役割を果たしてきました。

立地と遺構

金山の頂上に建つ新田金山城は、現在、本丸の跡地に新田神社が鎮座しています。周辺の斜面には当時の面影を留める石垣の一部が残っており、訪れる人々に歴史を感じさせます。西側には「日ノ池」と「月ノ池」があり、関東平野を見渡すことができる絶好のスポットです。また、二の丸と三の丸の跡も保存されており、これらは堀切を介して連結されています。さらに、南曲輪には中島飛行機の創設者、中島知久平の胸像があります。

この城はその構造から、名古屋城のような典型的な城郭よりも、むしろ戦いに備えた砦のような役割を果たしていました。大手門は櫓門となっており、物見櫓は木材を用いて構築されていますが、これらを復元する計画は存在していません。

石垣技術

新田金山城の史跡環境整備事業では、1992年から発掘調査が行われており、多くの石垣が使用されていたことが明らかになっています。特に、大手虎口の東端にある土塁石垣では、何度も改修が行われた痕跡が見つかりました。「アゴ止め石」と呼ばれる技法も確認されており、この技術は石垣の傾きを防ぐために用いられました。

歴史と沿革

新田金山城の歴史は、室町時代以前に遡ります。1336年には佐野義綱が新田城を攻め落としたとの記録があり、金山に新田義貞が築いたとされる城跡の存在が推測されています。しかし、現在の考古学的調査では、その時代の具体的な遺構は見つかっていません。

1469年には金山築城の地鎮祭が行われ、その後、新田一族が城主となりました。1528年頃には横瀬家が実権を握り、以降も水面下で権力闘争が続きます。1565年には横瀬成繁が改姓し、1574年には上杉謙信との戦闘が記録され、1580年には武田勝頼による攻撃を受けました。

その後、豊臣秀吉の小田原征伐によって金山城は接収され、最終的には廃城となりました。江戸時代には徳川家康が供養のために大光院を建立し、館林藩主が金山の松茸を献上するなど、地域の文化的な意義は続きました。

現地情報

新田金山城跡は1989年に国の史跡に指定され、現在は公園として整備されています。訪れる人々は歴史に思いを馳せながら、素晴らしい自然と共に城の遺構を楽しむことができます。交通アクセスも良好で、太田駅から徒歩での訪問が可能です。2006年には、日本100名城に選ばれ、観光名所としての地位を確立しました。近現代においても、新田金山城は多くの人々を魅了する歴史的スポットとしての役割を果たしています。

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