新界郷議局元朗区学校

新界郷議局元朗区中学の概要

新界郷議局元朗区中学（New Territories Heung Yee Kuk Yuen Long District Secondary School）は、香港新界の元朗区に位置する公立の中等学校です。1967年にイギリス領香港政府と新界郷議局によって設立され、現在では新界郷議局が設立した2つの学校のうちの1つとなっています。もう1つの学校は、新界大埔区にある新界郷議局大埔区中学です。

歴史

1961年、新界における政府の開発協力と児童数の増加に対応するため、新界郷議局執行委員会は新界郷議局準備三区中等学校委員会の設立を承認しました。政府との協議の結果、元朗、大埔、南ヨークの3つの選挙区にそれぞれ中等学校を設置することが決定されました。建設費は郷議局が各建物の30％（60万香港ドル）を補助し、残りはイギリス領香港政府が負担しました。この学校は3つの学校の中で最初に完成し、運営を開始した学校です。その他に、新界郷議局大埔区中学（1981年設立）と新界郷議局南ヨーク中学（1981年設立、2007年閉校）が存在しました。

1967年に設立されたものの、校舎建設に時間を要したため、当初は元朗公立中学校の校舎を借りて運営していました。1968年に現在の校舎が完成し移転、翌年には香港総督デヴィッド・リンチ卿が開会式を主宰しました。

学校の特徴

授業編成

同校は6日循環週制を採用しています。週を固定せず、登校日を順に循環させ、各循環日に8節の授業を設け、各節40分、20分の休憩、1時間5分の昼食時間となっています。循環週の第1日の8時限目は担任の授業時間となっており、講義などの活動にも利用されます。

設置学科

中学部（中一〜中三）

中学部では、各科目の授業に加え、週に一度の学級活動（担任の授業）と読書の時間が設けられています。これにより、生徒の道徳観や社会性を育成し、時事問題に対する認識と批判的思考を養います。

高等部（中四〜中六）

同校は香港の教育改革に協力し、新高校カリキュラムを導入しています。生徒は中六で香港中学文憑試験を受けます。必修科目4科目に加え、選択科目として2〜3科目を選択します（中四進級時は必ず3科目選択）。エリートクラスの生徒はさらに数学の延長部分（代数と微積分）を履修できます。

選択科目は、中三の終わりに生徒と保護者に対して意向調査表が配布され、その結果に基づいて開設される科目が決定されます。各科目は最低10人の生徒が選択する必要があり、上限は32人、3組までです。

香港中学文憑の科目以外に、特別活動（他の学習経験）と学級活動も提供されています。

クラス編成

全校で28クラス（中学校13クラス、高校15クラス）があります。

中学部

中学部では各学年4クラス（A、B、C、D）が設けられており、Dクラスはエリートクラスです（2021-22年度には中一でEクラスが新設されましたが、新しい変更でエリートクラスの分離はなくなりました）。

高等部

高等部では各学年5クラス（A、B、C、D、E）が設けられ、Eクラスはエリートクラスです。各クラスで必修科目を履修し、選択科目についてはグループに分かれて履修します。選択科目は、各生徒の意向を考慮し、最も多くの生徒の希望に合うように調整されます。4E、5E、6Eクラスの生徒で、数学の延長部分（代数と微積分）を選択した場合は自動的に履修が決定します。選択科目の変更は、保護者からの申請と意向変更表の提出が必要です。

教育言語

学校は当初、中国語部と英語部に分かれていましたが、1997年以降は英語部のみ開設し、2003年までに全クラスが英語部となりました。現在では、中国語、中国歴史、中国文学、普通話、公民と社会発展科を除いて、英語を教育言語として採用しています。

公開試験の成績

新界郷議局元朗区中学は、香港中學會考と香港中学文憑で「10A状元」や「7科目5状元」を輩出している学校として知られています。2023年までに2名の「状元」を輩出しており、香港で22位にランクインしました。

香港中學會考*

2006年：10A状元：鄧嘉淇

香港中学文憑

2022年：7科目5*状元：兪東晴、香港大学-ロンドン大学学院連合二重学位（法学士）課程に入学

新界郷議局元朗区中学は、生徒の学力向上と多様な学習経験を重視し、地域社会に貢献する人材育成を目指しています。

もう一度検索