新相良駅

新相良駅の歴史と特徴

新相良駅（しんさがらえき）は、かつて静岡県榛原郡相良町（現在の牧之原市）の波津に位置していた静岡鉄道駿遠線の駅で、地域の重要な交通拠点でした。開業は1926年4月27日に遡ります。この日は、藤相鉄道が相良駅と地頭方駅の間を5.9キロメートル開通させた日でもあり、その際に初めて駅が設けられました。当初は「相良新駅」と称されていました。

昔の活気

新相良駅は、その開業当初からターミナル駅としての役割を担い、駅の近くには栄丁商店街が広がっていました。この商店街は地域の人々にとって重要な買い物の場であり、駅に到着した人々の利用も多かったと言われています。しかし、駅の周辺は比較的静かな環境であり、夜間になると雑木林に囲まれた村外れの雰囲気が強まり、訪れる人々にとっては少々物寂しい場所でもありました。

戦時中の変遷

1943年5月15日、静岡地方の鉄道統合が進み、駅は静岡鉄道藤相線に改めて編入されました。この時期は第二次世界大戦の真っ只中であり、交通網が厳しい制約を受けた時代でもありました。また、1948年9月8日には新たに開業した地頭方から池新田までの7.1キロメートルが静岡鉄道駿遠線として全通したことで、駅の設置も見直されました。

その後、1956年1月1日には駅名が「新相良駅」に改称され、地域における位置付けが明確化しました。新相良駅は、静岡鉄道駿遠線上でも重要な駅として、地域交通に貢献し続けましたが、社会の変化とともに利用者数も減少していきました。

廃駅へ

1968年8月21日、長年の運営を経て、隣接する大井川から堀野新田までの区間が廃止されるのと同時に新相良駅も廃止され、駅の歴史に幕を下ろしました。その瞬間は地域にとって大きな出来事となり、多くの鉄道ファンや地元住民に惜しまれる存在となりました。

現在の様子

廃駅後は、駅の跡地はしばらくの間しずてつジャストラインにより相良営業所として活用されていました。2020年10月24日まではバス停名も「相良営業所」として運営されていましたが、現在ではその面影を残すものは少なく、訪れる人々にとってはかつての賑わいを思い起こさせる存在です。

新相良駅の跡地は、静かな住宅地へと変わっていき、過去の交通の歴史をしみじみと振り返る場となっています。鉄道の廃線とともに、多くの思い出がこの場所に刻まれています。

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