新磯子町

新磯子町（しんいそごちょう）は、神奈川県横浜市磯子区に位置する町名である。丁番を持たない単独町名であり、住居表示は実施されていない区域となっている。横浜市の沿岸部に広がる根岸湾に面した広大な埋立地に位置しており、その土地利用はほぼ全域が工業用地として利用されている。町域の面積は、埋立竣工認可面積として約63万7千平方メートルに及ぶ。人口は少数とされており、具体的な数値は公表されていない（秘匿）。最後に公表された記録では、2003年（平成15年）12月31日現在の人口が42人であった。

地理的に見ると、新磯子町は磯子区の南東、根岸湾に突き出すような形で広がっている。陸地側では南西方面で新森町に、西側から北側にかけては磯子に隣接している。そして、東側から南側にかけては広大な根岸湾に面しており、その特性を活かした港湾関連施設や大規模工場が多く立地している。人工的に造成された土地であるため、地形は概ね平坦である。

当町の最も特徴的な点は、日本の首都圏におけるエネルギー供給を支える重要な施設が集中していることである。特に、根岸湾に張り出した区域には、国内有数の大規模火力発電所であるJERA南横浜火力発電所（LNG専焼）と、電源開発磯子火力発電所（石炭専焼）が稼働している。さらに、東京ガス根岸LNG基地も設置されており、液化天然ガスの受け入れ、貯蔵、送出を担っている。これらの施設は、近隣に位置するENEOS根岸製油所と合わせて、東京湾岸地域、ひいては首都圏全体へのエネルギー供給網において極めて重要な役割を果たしている。
この地区の形成にあたっては、かつて昭和電工が工場進出を予定していたが計画が中止となり、その後の土地利用計画により、東京ガスのLNG貯蔵施設や、日本超低温、東京炭酸といったガス関連企業が進出することとなった経緯がある。
半島の最先端部には、横浜市の公共施設も立地している。具体的には、下水を処理する横浜市環境創造局南部水再生センターや、廃棄物の収集運搬業務を行う横浜市資源循環局磯子事務所（かつての清掃工場跡地）がある。また、市民の憩いの場として利用される磯子海釣り施設もこの一角に設けられている。
町内のJR根岸線沿いのエリアには、旭紙業、リバースチール、東芝などの事業所のほか、青果市場も設けられており、産業の多様性が見られる。さらに、堀割川の河口近くには宇部三菱セメントの貯蔵施設があり、ここではセメント運搬船による海上輸送が行われている。

新磯子町の土地は、根岸湾岸埋立計画の第2期イ地区の一部として造成されたものである。この埋立工事は1961年（昭和36年）7月に着工し、1964年（昭和39年）12月に竣工した。町としての沿革は、埋立が進行した1963年（昭和38年）2月1日に、埋立地が区域に編入されるとともに、「新磯子町」として新たな町名が設定されたことに始まる。その後、1965年（昭和40年）9月1日にも、さらなる埋立地の編入が行われている。

その他の情報として、新磯子町の郵便番号は235-0017であり、集配業務は磯子郵便局が担当している。市立小・中学校の学区や、町内を管轄する警察の区域についても定められているが、具体的な内容は省略する。また、経済センサス調査によれば事業所数および従業員数に関する記録が存在するが、詳細な数値の推移はここには記載しない。

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