新納是久

新納是久（にいろ これひさ）

新納是久は、室町時代後期に活躍した武将であり、島津氏の家臣として知られています。新納氏は代々島津氏に仕えた家柄で、是久は4代目当主である新納忠治の三男（次男とする説もあります）として誕生しました。

生涯

是久の兄である忠続は、長禄2年（1458年）に島津宗家の命により、日向国（現在の宮崎県）の日向伊東氏に備えるため、飫肥（現在の宮崎県日南市）へと移されました。これに伴い、是久は新納氏の本拠地である志布志（現在の鹿児島県志布志市）を任されることになります。

文明6年（1474年）、島津氏の一門である伊作家の島津久逸が、島津宗家の命によって櫛間（現在の宮崎県串間市）に入城します。是久は、伊作家との関係を強化するため、久逸の嫡男である善久を養子に迎え、さらに自身の娘である常盤を善久の妻としました。

しかし、文明16年（1484年）になると、久逸と忠続の間で所領の交換をめぐる対立が激化します。この争いにおいて、是久は久逸側につき、兄である忠続と敵対することになります。翌文明17年（1485年）、忠続を救援するため島津宗家11代当主・島津忠昌が軍を率いて出陣し、是久は島津軍との戦いで戦死しました。

是久は、島津氏の一族間の争いに巻き込まれ、非業の最期を遂げた武将として、その名を歴史に残しています。彼の生涯は、室町時代後期の地方武士の複雑な人間関係や、所領争いがもたらす悲劇を物語っています。

補足

新納氏は、島津氏の有力な一門であり、是久の時代も島津氏の勢力拡大に貢献しました。
是久の行動は、必ずしも個人的な感情だけでなく、一族の存続や勢力拡大のためという側面もあったと考えられます。
* 所領争いは、当時の武士社会において日常的に起こっていた問題であり、是久のケースはその一例と言えるでしょう。

是久の生涯は、日本の戦国時代を理解する上で、重要な視点を提供してくれます。

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