新興駅 (神奈川県)

新興駅について

新興駅（しんこうえき）は、かつて神奈川県横浜市神奈川区守屋町三丁目にあった日本貨物鉄道（JR貨物）の貨物基地で、2010年に正式に廃止されました。この駅は、東海道本線の貨物支線、通称高島線上に位置していました。開業は1934年で、長い歴史を有していましたが、2002年に貨物列車の発着が停止し、その約8年後に廃駅となりました。

駅の概要

新興駅があった場所は京浜工業地帯の中心部であり、多くの工場や倉庫が立ち並ぶエリアに位置していました。駅周辺には、昭和電工やENEOSなどの専用線が多く接続しており、最盛期の1970年代には、25社30本もの専用線が利用されていました。しかし、鉄道による貨物輸送が次第に減少し、2000年代には昭和電工の専用線が廃止され、最終的には内外輸送横浜支店の専用線が2002年に使用停止となりました。

駅の営業キロは、廃止時には新興線の終端でありましたが、全てのレールが撤去されたため、事実上その役割を果たしていませんでした。1985年には隣接する入江駅が廃止され、新興駅がその機能を吸収する形で駅の利用が続いていました。

新興駅の歴史

新興駅は1934年に開業し、長い間横浜市の物流拠点として重要な役割を果たしてきました。しかし、1970年には駅で重大な事故が発生し、貨物列車と留置車両の衝突により、施設が損壊しました。この影響を受けながらも、保安対策が整えられ、1987年には国鉄分割民営化により、JR貨物の駅となりました。

2010年には完全に廃駅となり、その頃にはすべての貨物列車の発着が無くなりました。駅の位置したエリアはその後、街の使用に変更され、新興駅前交差点と恵比寿町交差点の間に残る約2ヘクタールの廃線跡は「貨物線の森緑道」として公園として整備されていきました。2008年には一部が完成し、市民に親しまれる場所となっています。

接続していた主な専用線

新興駅は多くの企業専用線と接続していました。特に、昭和電工や日本石油精製（現・ENEOS）などが運営していた専用線が有名です。これらは主にアルミナや石油製品の輸送に用いられ、その後のトラック輸送への移行で次第に利用が減少しました。新興駅には、さらにアスベスト関連企業や化学工業など、多様な業種が集まっていました。

これらの専用線は新興駅から分岐し、工場や倉庫に直接接続されることで効率的な物資輸送を実現していましたが、時代の変化に伴い、それらの多くが次々と廃止されていきました。

現在の利用状況

現在は新興駅周辺の施設は新子安営業所として利用され、かつての駅の名残が残るバス停も見られます。廃駅となった新興駅は、地域の発展に大きく寄与しましたが、時代の流れによって新たな利用形態が求められるようになりました。

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