新谷さなえ

新谷さなえ：音楽ゲームの歌姫、その多彩な魅力

新谷さなえさんは、12月21日生まれ、兵庫県神戸市出身の女性歌手です。本名も新谷早苗と書き、読み方は同じです。彼女は、コナミデジタルエンタテインメントにOLとして勤務するかたわら、同社が展開する音楽ゲーム『BEMANIシリーズ』の楽曲でボーカルを担当し、その歌声で多くのファンを魅了しました。現在はフリーランスとして独立し、作詞家や声優としても幅広い活動を展開しています。Sanaというアーティスト名義が最もよく知られていますが、楽曲や活動内容によって「新谷さなえ」「さな」「プチさな」「sayurina」といった様々な名義を使い分けています。

デビューのきっかけと音楽活動

コナミの開発部門でアシスタントとして働いていた新谷さんは、当時サウンド部署にいた知人の桐岡麻季さんに頼まれ、デモテープの仮歌を歌いました。その歌声が、『BEMANIシリーズ』のサウンド・プロデューサーであった藤後浩之さんの耳に留まり、才能を見出されたことがデビューのきっかけとなりました。1998年、プレイステーション版『beatmania』の楽曲でボーカリストとしてデビューして以来、『BEMANI』シリーズを中心に、数十曲もの作品に参加。「コナミの歌姫」として、男女問わず多くのリスナーから支持を集めました。ボーカルだけでなく、初期の頃から作詞にも挑戦し、2003年には自身が作詞・作曲を手掛けた楽曲も発表しています。

人気音楽ゲーム『pop'n music』に登場するキャラクター「さなえちゃん（SANAE♥chan）」は、新谷さんの名前にちなんで命名されました。同作で彼女が担当する楽曲の多くは、新谷さん自身が歌唱しています。

2006年3月31日、コナミの持株会社化に伴い、新設子会社のKDE-Jに移籍。同年には部署異動も経験しましたが、2007年にテレビ東京で放送された『博士のステキOL研究所』の取材で、音楽CD製作部門に勤務していることが明らかになりました。

BEMANIシリーズ以外での活躍

新谷さんの活躍は音楽ゲームだけに留まりません。アニメ『わがまま☆フェアリー ミルモでポン!』の主題歌や、パチスロ機『マジカルハロウィン』のテーマ曲など、多岐にわたるジャンルの楽曲に参加しています。

2012年3月7日（サナの日）には、107曲を収録した6枚組BOX CD「Sana Coffret（サナコフレ）」をリリース。この作品は、コナミレーベル時代の集大成とも言える内容で、コナミスタイル限定の少数生産だったため、再生産を求める声が上がるほどの人気を集め、プレミアム価格が付くほどでした。

フリーランスとしての新たな挑戦

「Sana Coffret」のリリース後、結婚を機にKONAMIを退社。以降はフリーランスとして活動を開始しました。フリー転身後も、『マジカルハロウィン』新作のテーマ曲を手掛けたり、配信アルバム「MOVING ON」をリリースするなど、精力的に活動を続けています。同人音楽レーベルであるDiverse Systemのコンピレーションアルバムにもボーカルとして参加しており、2019年には活動20周年を記念したソロアルバム「Delight.37」をリリースしました。

2018年には、『pop'n music』シリーズの新作『- peace』で、約8年半ぶりに同作に参加。2020年には、元コナミの前澤之伯さんのソロユニットSentimental Reasonにヴォーカルとして参加しました。2023年には、自身のTwitterの名義に「sayurina」が追加されたことから、プロデューサー新井大樹さんが手掛ける「ハイテンションジブリ」シリーズにも参加していたことが明らかになりました。

多岐にわたる活動を続ける新谷さなえさん。その歌声は、これからも多くの人々に感動と喜びを届けてくれることでしょう。

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