新郷村 (岡山県)

新郷村（にいざとそん / にいざとむら）

新郷村は、かつて岡山県阿哲郡に存在した村で、現在の新見市神郷釜村、神郷高瀬、千屋にあたる地域です。明治時代に周辺の村々が合併して成立し、昭和時代に神代村と合併してその歴史を閉じました。

地理

村は高瀬川、三坂川、三ケ市川といった河川の流域に位置していました。これらの河川は、村の農業や生活に重要な役割を果たしていました。

歴史

新郷村は、1889年（明治22年）6月1日の町村制施行により、哲多郡千屋村、釜村、高瀬村が合併して誕生しました。村制が施行され、旧村名を継承した千屋、釜村、高瀬の3つの大字が編成されました。

1892年（明治25年）には釜村郵便局が開設され、1909年（明治42年）に釜郵便局、1936年（昭和11年）には新郷郵便局へと改称されました。これらの郵便局は、村の郵便・通信業務を担い、人々の生活を支えました。

1900年（明治33年）には、大字千屋が阿賀郡千屋村に編入され、新郷村は大字釜村と高瀬の2大字となりました。同年4月1日には、郡の統合により阿哲郡に所属することとなりました。

第二次世界大戦後には、野原に開拓団が入植し、新たな人々が村に生活を築きました。

1955年（昭和30年）5月1日、新郷村は阿哲郡神代村と合併し、町制を施行して神郷町を新設、新郷村は廃止されました。合併後、旧新郷村の地域は神郷町大字釜村、高瀬となりました。

産業

新郷村の主要な産業は農業でした。特に木炭は特産品として知られていました。

また、村には高瀬鉱山があり、耐火レンガの材料となるクロム鉄鉱が採掘されていました。高瀬鉱山は昭和30年代に最盛期を迎え、村の経済を支えました。

交通

1928年（昭和3年）には国有鉄道伯備線が開通し、1955年（昭和28年）には新郷駅が開設されました。これにより、村は鉄道網に組み込まれ、交通の便が向上しました。

教育

1890年（明治23年）には、村内の4か所の小学校が再編され、尋常新郷小学校と3つの支校となりました。1897年（明治30年）には千屋支校が廃止されました。1947年（昭和22年）には、新郷小学校、高瀬小学校、三坂小学校の3校体制となりました。

また、1947年には新郷中学校が開校し、村の子どもたちの教育を担いました。

参考文献

角川日本地名大辞典 33 岡山県
『市町村名変遷辞典』東京堂出版、1990年

関連項目

* 岡山県の廃止市町村一覧

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