新開発銀行

新開発銀行（NDB）

新開発銀行（しんかいはつぎんこう、英：New Development Bank、NDB）は、BRICS（ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ）の5か国によって設立された国際的な開発金融機関です。この銀行は、世界銀行や国際通貨基金（IMF）に代わる存在を目指し、主にインフラ投資に資金を提供することを目的としています。NDBの本部は中国の上海に位置し、時にはBRICS開発銀行とも呼ばれることがあります。

設立の背景

新開発銀行の設立は、2013年3月に南アフリカ・ダーバンで開かれた第5回BRICS首脳会議で、各国の首脳によって合意されました。この際、特にインドのナレンドラ・モディ首相が考案した名称が採用されました。翌年の2014年7月には、ブラジル・フォルタレザで開催された第6回BRICS首脳会議で、1,000億ドルの資本金を持つ銀行と、同額の外貨準備基金設立に関する文書が署名されました。これにより、BRICS各国が連携し、欧米主導の融資制度に対抗する枠組みが整いました。

新開発銀行の設立にあたっては、最初の資本金として500億ドルが用意され、将来的には1,000億ドルまで増資される見込みです。この資本金は、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5か国からそれぞれ100億ドルずつ拠出されます。同時に、銀行の資本構成を変更する場合には、全ての国の同意が必要とされています。これにより、特定の国が単独で資本金を増やすことができないようにする措置がとられ、これを強く要求したのがインドでした。

主要な活動

新開発銀行は、インフラ計画への融資に特に注力しており、1年あたりの融資上限額は340億ドルに設定されています。また、南アフリカには「新開発銀行アフリカ地域センター」が設けられ、この地域における活動がシームレスに行えるよう工夫がなされています。

さらに、緊急時に備えるための外貨準備金基金も重要な役割を果たしています。この基金は、国際金融市場における流動性の問題に対処することを目的としており、参加国の通貨が国際的な金融危機に影響される際、補助的な役割を果たすと期待されています。この基金は、100億ドルの払込資本に加え、要請に応じて使用される400億ドルが別途用意されています。

新開発銀行の成長

新開発銀行は、2021年にはバングラデシュ、アラブ首長国連邦、ウルグアイが新たに加盟し、同年にエジプトも加入しました。2023年にはアルジェリアが新開発銀行への加盟を申し出ました。加盟国の拡大はこの銀行の国際的な影響力をさらに高めています。

新開発銀行は、成長する市場のニーズに応じ、新たな国際的経済環境への対応を図っており、今後の発展が期待されています。各国の協力に基づく融資の枠組みは、BRICS諸国に新たな経済機会を提供し、グローバルな金融体系における多様性を促進する重要な役割を担っています。

まとめ

新開発銀行は、慢性的なインフラ不足を抱える国々にとって重要な資金供給源となりつつあり、BRICS諸国の協力を通じて国際社会におけるその重要性は今後ますます増していくことでしょう。

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