新高山城

新高山城（にいたかやまじょう）

新高山城は、広島県三原市本郷町にあった日本の城で、その跡地は国の史跡として指定されています。2017年には続日本100名城にも選定されました。

歴史

元々、小早川氏の居城は沼田川の対岸にある高山城でしたが、その支城として建治2年（1276年）に小早川雅平によって現在の新高山城の位置に砦が築かれました。

沼田小早川家を継いだ小早川隆景は、天文21年（1552年）にこの砦を本拠とするために拡張工事を実施。小早川家文書によれば、永禄4年（1561年）には毛利元就と隆元が新高山城を訪れ、数日間滞在し、連日饗応が行われました。

慶長元年（1596年）に小早川氏が三原城へ移るまで、新高山城は小早川氏の本拠地として機能しました。しかし、三原城築城の際、高山城と共に廃城となり、石垣は崩され、その資材は三原城の建設に使用されました。

構造

標高197.6mの山頂部を中心に築かれた山城で、東西約400mに及ぶ規模を誇ります。北と東は沼田川によって守られており、瀬戸内海にも近いため、城下には水軍の基地も設けられました。

城内には、本丸、中の丸、西の丸、北の丸、釣井の段、鐘の段などの曲輪が残っており、シンゾウス郭やライゲンガ丸といった独特な名前の曲輪も見られます。本丸には枡形の土塁遺構や建物の礎石が残存しています。

また、城内には小早川家の菩提寺である匡真寺（きょうしんじ）跡があります。三原市本町にある宗光寺の山門は、新高山城の大手門を移築したものと伝えられていますが、異説も存在します。

築城当時の鎌倉時代後期には、鐘の段付近のみの小規模な砦であったと推測されています。

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