新MS戦記 機動戦士ガンダム短編集

新MS戦記 機動戦士ガンダム短編集

『新MS戦記 機動戦士ガンダム短編集』は、近藤和久が手掛けた漫画作品であり、雑誌『B-CLUB』の28号から連載された『THE DOG OF WAR U.C.0092』を主軸に、5つの短編から成る作品集です。この短編集は、宇宙世紀0092年を舞台にしており、ストーリーは『機動戦士ガンダムΖΖ』の幕引きから『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』にかけての出来事を描写しています。

作品の概要

核兵器を巡るドラマが展開される『THE DOG OF WAR U.C.0092』では、フレデリック・F・ブラウン大尉が指揮する第66MS小隊が、地球連邦軍管轄の旧ジオン軍オデッサで核ミサイルを奪取するための作戦に挑みます。彼らは地球に降下し、激しい戦闘の中で旧マ・クベ鉱山基地にある核兵器を狙います。この物語は、近藤和久の過去の作品『機動戦士ガンダム ジオンの再興』の続編的な位置づけともなっており、リンクするエピソードが展開されます。

近藤が独自にデザインしたモビルスーツ群は、本作の大きな魅力の一つです。オリジナルのモビルスーツや、従来の設定とは異なるバリエーションが多数登場し、読者を楽しませます。ズゴックやユーコンといった、ガンダム世代の兵器も顔を見せ、ファンに親しみやすい要素を加えています。また、作画スタイルには小林源文のドイツ軍ものからの影響が伺え、ネオ・ジオンはドイツ軍のイメージで描かれています。

登場人物

作品中には、フレデリック・F・ブラウンが主役として描かれています。階級は大尉で、彼は戦闘経験豊富なベテランパイロットです。物語では、旧マ・クベ鉱山基地に潜む核ミサイルを奪取するために戦闘に挑み、激しい戦闘の中で命を繋ぐエピソードが展開されます。過酷な状況を生き延びながらも、彼のリーダーシップが光ります。また、彼の周囲には、J・マウアやレイモンド・O・パウロ、リドリー・SS・グロス、ラルフ・H・メシュ、G・S・ターキンなど、多彩なキャラクターが登場し、物語に深みを与えます。

モビルスーツの紹介

この短編集では多くのモビルスーツが登場し、それぞれが独自の特徴を持っています。ジオン軍の主力機であるMS-16 ギラ・ドーガ（陸戦用重装型）は、ブラウン大尉が搭乗する機体であり、陸戦用として専用に強化されています。この作品では、従来の設定を取り入れながらも、独自の解釈によるメカニックデザインが光ります。

また、PMX-007 ジャギュアやAMX-103P ワルキューレなど、新たに登場するモビルスーツも注目され、特にワルキューレはその圧倒的な火力で多くのファンを魅了しています。連邦軍側では、RX-92 L・A・S Gコマンダーが登場し、ジオン軍の特務部隊との熾烈な戦闘を繰り広げます。

この短編集の魅力は、ただのスピンオフではなく、宇宙世紀の深い設定を活かしつつ新たな展開を見せるところにあります。近藤和久の卓越したストーリーテリングと緻密な描写が交錯し、読者を引き込む力がこの作品にはあります。この作品を通じて、宇宙世紀のガンダムワールドに新たな別視点を与えています。

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