方広寺 (浜松市)

方広寺について

方広寺（ほうこうじ）は、静岡県浜松市浜名区に存在する寺院で、臨済宗方広寺派の大本山です。山号は深奥山（じんのうざん）で、寺号は正式には方広萬寿禅寺と呼ばれています。別名は奥山半僧坊で、本尊は釈迦如来です。

歴史

方広寺の創建は1371年にさかのぼります。この寺院は、遠江の豪族井伊家の一族である奥山朝藤によって設立されました。奥山朝藤は、後醍醐天皇の皇子である無文元選に深い信仰を寄せていました。このため、彼を開山として迎えて寺を創建したのです。

無文元選は、博多の聖福寺で修行の後、元に渡り福州大覚寺で古梅正友に師事しました。日本帰国後、三河の広沢庵にいた際、奥山朝藤の招きに応じて方広寺へ移りました。彼は、此処の景観が中国の天台山方広寺に似ていると感じ、「深奥山方広万寿禅寺」と名付けました。

しかし、方広寺はその後の数回にわたる火災により衰退し、室町時代末期の詳しい記録は失われました。1568年、徳川家康が寺を訪れた際、復興に尽力し、後陽成天皇から復興のための勅命を得ることができました。また、1587年には豊臣秀吉から寄進を受け、同年に勅願所となります。

江戸時代には、1786年に光格天皇から開山の無文元選に「大慈普応禅師」の称号が贈られました。明治時代に入ると、政府の宗教政策による影響で、寺の経済基盤が揺らぎましたが、1877年に今井東明が半僧坊の再建に尽力することで寺の存続を支えました。

1903年には独立して臨済宗方広寺派の本山となり、同年に明治天皇から無文元選に「聖鑑国師」の称号が下賜されました。また、方広寺には半僧坊権現が祀られています。これは無文元選が帰国の際、嵐に遭遇し、彼を守った神として信仰されています。この神は後に無文元選に教えを授けたため、寺の鎮守となったと伝えられています。

年中行事

方広寺では、幾つかの重要な行事が行われています。春に行われる開山忌は4月22日、開山である無文元選の法要です。奥山半僧坊火祭りは2月16日に行われ、祈祷や火渡りの儀式が執り行われます。10月17日には、鎮守半僧坊権現の神事である半僧坊大祭が行われます。

文化財

方広寺にはいくつかの重要文化財があります。1391年に建立された七尊菩薩堂は、鎌倉時代末期の建築様式を示しており、その独特なデザインが特徴です。また、木造釈迦如来及両脇侍坐像は、1352年に制作されたもので、同寺の開創前に作られたものです。関東の戦国大名、佐竹氏の菩提寺であった清音寺に保管されていましたが、後に修復されて方広寺へ移されました。

そのほかにも、方広寺の本堂や鐘楼、三重塔など多くの建物が登録有形文化財に指定されており、2019年には24棟が国の登録有形文化財に認定されました。このように方広寺は、豊 rich な歴史的岸の数々とともに訪れる人々に深い感動をもたらす寺院です。

所在地

方広寺は静岡県浜松市浜名区引佐町奥山に位置しています。

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