無文元選

無文元選（むもんげんせん）は、元亨3年2月15日（1323年3月22日）に生まれ、明徳元年/元中7年閏3月22日（1390年5月7日）に没した、南北朝時代の臨済宗の僧です。後醍醐天皇を父とする説があります。没後、聖鑑国師、円明大師の諡号が贈られました。

1340年、父と伝えられる後醍醐天皇が崩御した翌年に、京都の建仁寺で出家し、明窓宗鑑や雪村友梅に師事して禅の修行を始めました。1343年には、中国の元に渡ることを志し、博多の聖福寺にいた無隠元晦に参禅し、渡航の準備をしました。その後、元に渡り、福州の大覚寺で古梅正友に師事して厳しい禅の修行を積みました。さらに、各地を巡りながら修行を重ね、禅の奥義を極めました。

帰国後は、その教えを広めるため、各地を巡り教化活動に尽力しました。特に、遠江国（現在の静岡県西部）に方広寺を開創し、その基礎を築いたことは、彼の大きな功績の一つです。方広寺は、現在も多くの参拝者が訪れる名刹として知られています。また、方広寺には、奥山半増坊が祀られており、地域の人々から信仰を集めています。無文元選は、その生涯を通じて禅の教えを広め、多くの人々に影響を与えました。

無文元選は、激動の南北朝時代に、禅僧として自己の道を追求し、その教えを人々に広めました。彼の足跡は、今もなお、多くの人々に語り継がれています。

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