旋盤

旋盤とは

旋盤（せんばん、英: lathe）は、素材を回転させ、静止した刃物で加工を行う工作機械です。さまざまな形状の製品を作成できるため、金属加工や木工など多くの分野で使用されています。旋盤では主に「外丸削り」、「中ぐり」、「穴あけ」、「ねじ切り」、「突切り」といった加工が行われます。回転する被切削物に対して工具がアプローチするため、加工物は必然的に回転対称の形状（つまり、円筒や円錐、皿形など）になります。旋盤で加工された作品は『挽き物』と呼ばれ、伝統的な技術として親しまれています。

旋盤の歴史

旋盤の起源は古く、弓を使った弓旋盤や、竿を使用した竿旋盤が存在します。これらのタイプは、史上初期の回転工具の開発に寄与しました。それ以降、技術革新により、さまざまな種類の旋盤が登場しました。

旋盤の基本構造

旋盤の基本的な構造は以下の主要部分から成り立っています：

• - ベッド（bed）: 旋盤の基盤となる部分で、機械が安定して動作するための支持面を提供します。
• - 主軸台（head stock）: ベッドの左端にあり、主軸、変速装置、自動送り装置が内蔵されています。
• - 主軸（main spindle）: 中空の軸で、長尺材料を加工できるように設計されています。外側には面板を取り付けるためのねじ、内側にはセンタを取り付けるテーパがあります。
• - 面板: 被切削物を固定する部分で、万力（チャック）やセンタを取り付けることができるようになっています。
• - 心押し台（tail stock）: センタを取り付けることで、回転中心を主軸方向に押し支えます。
• - 往復台（carriage）: 縦方向に動くことで対象物の長さ方向の送りを行います。
• - 横送り台: 横方向に調整して、被切削物の加工寸法を調整します。
• - 刃物台: 刃物（バイト）を取り付け、旋削を行います。

旋盤の種類

旋盤には多くの種類があり、主に以下のものがあります：

• - 普通旋盤（engine lathe）: 標準的な形状の旋盤。
• - 卓上旋盤（bench lathe）: 小型で、作業台に載せて使用される旋盤。
• - 正面旋盤（face lathe）: 作業者の正面に主軸がある大型の旋盤。
• - 立て旋盤（turning mill）: 上向きの主軸を持つ旋盤。
• - タレット旋盤（turret lathe）: タレット式刃物台を搭載した旋盤。
• - 倣い旋盤（copying lathe）: 形状を複製するための装置がある旋盤。
• - NC旋盤: 数値制御装置が組込まれた旋盤で、現代ではコンピュータ制御（CNC）が主流です。

旋盤による加工技術

旋盤を用いた加工技術は、さまざまな機能を持ち、以下のような加工が可能です：

• - 外丸削り（ターニング）: 円筒の外側を切削する技法。
• - 突切り（つっきり）: 対象物を径方向へ切断する技術。
• - 中ぐり: 円筒の内側を加工すること。
• - テーパー削り: 工作物を斜めに削る技術。
• - ネジ切り: 工作物にネジ山を付ける加工。

用語

旋盤の加工過程で発生するキリコは、切削によって生じる屑であり、技術者はこの切屑を管理しなければなりません。また、旋削で用いるバイトは、金属用の刃物として重要です。

旋盤を操作する際は、安全に十分配慮が必要です。特に、加工速度と半径の関係に注意しないと、振動や摩耗、熱による問題が発生する可能性があります。これらの知識を活用することで、旋盤を効果的かつ安全に使用することができるでしょう。

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