日中両国政府間の記者交換に関する交換公文

日中両国政府間の記者交換に関する交換公文

日中国交正常化後の日本と中華人民共和国の間で締結された「日中両国政府間の記者交換に関する交換公文」は、両国間の記者交換に関する重要な協定です。この協定は、国交正常化以前の「日中双方の新聞記者交換に関するメモ」に代わるものとして交わされました。

概要

1952年、日本は中華民国との間で日華平和条約を締結したため、中華人民共和国とは国交がない状態でした。国交がない場合、記者をはじめとする相手国への現地駐留は困難となるのが一般的です。しかし、戦後の日中間では経済活動が活発化し、正式な貿易の必要性が高まりました。

このような状況の中、1962年に日中間で「日中総合貿易に関する覚書」が交わされ、いわゆるLT貿易が開始されました。そして、1964年にはLT貿易の枠組みの中で、日中双方の新聞記者交換に関する取り決めが行われました。これが「日中双方の新聞記者交換に関するメモ」です。

1972年9月29日、「日本国政府と中華人民共和国政府の共同声明」（日中共同声明）が発表され、日中両国間の国交が正常化しました。これを受け、1974年1月5日には両国政府間で日中貿易協定が締結され、「日中双方の新聞記者交換に関するメモ」は1973年末で失効することになりました。

そして、日中貿易協定が締結された同じ日に、橋本在中国日本大使館参事官と王珍中国外文部新聞局副局長との間で、改めて「日中両国政府間の記者交換に関する交換公文」が交わされました。この交換公文により、国交正常化後の両国間の記者交換の枠組みが確立され、報道を通じた相互理解の促進に貢献しました。

この協定は、単なる記者交換の取り決めにとどまらず、両国間の関係発展における重要な一歩となりました。報道機関の相互駐在を可能にすることで、それぞれの国の文化、社会、政治に関する理解を深め、誤解や偏見を減らす役割を果たしたと考えられます。

関連項目

日本国と中華人民共和国との間の平和友好条約（日中平和友好条約）
北京メディアセンター
日中双方の新聞記者交換に関するメモ
田川誠一

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