日加関係

日加関係

日本とカナダの関係は、19世紀後半に始まりました。1889年に日本がバンクーバーに領事館を設置したのが最初の公式な接点です。その後、1928年に両国は正式に外交関係を樹立し、相互に公使館を設置しました。カナダの東京公使館は、アジアにおける最古の使節団の一つであり、両国関係の重要性を示しています。

日加関係史

両国間の最初の接触は、1845年にカナダ人の冒険家が北海道に密入国したことに遡るとされています。その後、宣教師や大工などが両国間を移動し、非公式な交流が始まりました。1877年には、日本からの初期の移民がカナダに上陸しましたが、その後の移民増加を警戒したカナダ政府は、日本人移民を制限しました。しかし、明治時代にはカナダの使節団が日本の教育制度近代化に影響を与え、両国間の文化交流も進みました。

1887年には、横浜とバンクーバーを結ぶ蒸気船航路が開通し、両国間の交流がさらに活発になりました。1904年から1905年の日露戦争中には、カナダ軍人が日本軍に随行し、その功績が称えられました。

在外公館の開設

1929年、東京にカナダ公使館が開設されました。この公使館は、アジアにおけるカナダの外交活動の拠点となり、両国関係において重要な役割を担いました。しかし、その背景には、当時のカナダ国内の反アジア感情や日本人移民制限の意図も含まれていました。

初代駐カナダ公使は徳川家正、初代駐日公使はサー・ハーバート・マーラーでした。

第二次世界大戦

太平洋戦争の勃発により、両国の関係は一時的に悪化しました。カナダは日系カナダ人を強制収容し、彼らの人権を侵害しました。両国の軍隊が直接戦闘を交えたのは、香港の戦いのみでした。

戦後

戦後、両国は関係を修復し、1952年に外交関係を回復しました。カナダは日本が国際社会に復帰するのを支援し、1954年には日本がコロンボ・プランに加盟するのを後押ししました。また、日本はカナダの支援を受けて国際連合に加盟しました。

成熟しつつある関係

両国関係の修復を象徴する出来事として、1953年の皇太子明仁親王の訪加が挙げられます。その後、両国首脳の相互訪問が頻繁に行われるようになり、漁業、貿易、航空、文化など、多岐にわたる分野で協力関係が築かれました。

1988年には、カナダ政府が第二次世界大戦中の日系カナダ人抑留に対して公式に謝罪し、補償合意書が締結されました。2008年には、日加国交樹立80周年を迎え、両国間の友好関係はさらに深まりました。

カナダ人の対日感情

カナダ国民は日本に対して非常に好意的であり、BBCの調査によると、カナダは世界で最も親日的な国の一つです。

貿易

日本はカナダにとって重要な貿易相手国であり、自動車や農産品などが両国間で取引されています。2018年にはCPTPPによりカナダ産牛肉の輸入が増加しました。

移民

カナダへの日本人移民は19世紀に始まりましたが、20世紀初頭に制限が課されました。かつてバンクーバーには日本人街があり、日系カナダ人の生活の中心地でした。

脚注

[1] 外務省: 最近のカナダ情勢及び日加関係
[2] 日加協会 The Canada-Japan Society
[3] 在日カナダ大使館
[4] 在カナダ日本国大使館
[5] カナダ・アジア太平洋財団

関連項目

カナダの国際関係
日本の国際関係

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