日向一雅

日向 一雅 (ひなた かずまさ)

日向一雅氏は1942年1月1日に山梨県で生まれた日本の国文学者で、特に中古文学を専門としている。彼は明治大学文学部の名誉教授であり、主に『源氏物語』に関する研究を行い、その業績は高く評価されている。

学歴と職歴

彼は1964年に山梨大学学芸学部を卒業後、東京大学大学院人文科学研究科で国文学専攻の修士課程を修了。その後、1972年には博士課程の単位を修得し、一旦退学し、1973年には関東学院女子短期大学で専任講師として教壇に立つ。1976年からは東京女子大学短期大学部にて専任講師を務め、その後助教授、教授へと昇進し、1987年に聖心女子大学で教授に就任した。その後、1992年には明治大学文学部教授となり、大学院文学研究科の委員長など、多くの職務を歴任した。2012年には定年退職を迎え、2017年に名誉教授の称号を得た。

彼の長年にわたる教育活動を通じて、多くの学生を指導し、ゼミの卒業生にはハーモニカ奏者の寺澤ひろみ氏が名を連ねている。彼の教育スタイルは、学生たちの独自の視点を尊重し、研究の深淵を探ることを促すものであった。

研究分野と業績

日向氏の研究は『源氏物語』に特化しており、彼の博士論文『源氏物語の準拠と話型』は2000年に東大文学博士を授与され、同年には紫式部学術賞を受賞する栄誉を得ている。日向氏による『源氏物語』の解釈は、作品のテーマや構造について豊かで多角的な視点を提供し、学界において新たな議論を生み出してきた。

彼の著作には以下のようなものがある：

• - 『源氏物語の主題 「家」の遺志と宿世の物語の構造』（1983年）
• - 『源氏物語の王権と流離』（1989年）
• - 『源氏物語の準拠と話型』（1999年）
• - 『源氏物語 その生活と文化』（2004年）
• - 『源氏物語の世界』（2004年）
• - 『謎解き源氏物語』（2008年）
• - 『源氏物語東アジア文化の受容から創造へ』（2012年）

また、彼は共編著の執筆も行っており、さまざまな視点から『源氏物語』に関する研究を提示している。特に彼が共編著した書籍には、『神話・宗教・巫俗 日韓比較文化の試み』や『王朝文学と官職・位階』などがあり、これらは日本文学だけでなく、他の文化との比較研究にも焦点を当てている。

親族

日向氏は、山梨県教育長を務めた日向譽夫の甥であり、親類にはオーバーン大学の教授である日向哲氏や、山梨学院大学教授の日向健氏がいる。また、彼の甥には振付師の迷彩トモヤ氏がいる。学問の世界だけでなく、芸術や文化の分野でも彼の家族は多才な人々で構成されている。

結論

日向一雅氏は、長い研究歴を通じて『源氏物語』を深く探求し、学界における重要な役割を果たしてきた。また、彼の教育活動や著作は、今後も多くの研究者や学生に影響を与え続けるであろう。日向氏の貢献は、日本の文学研究において永遠に記憶されることだろう。

もう一度検索