振付師

振付師と振付の役割

振付師（ふりつけし、英: choreographer）は、振付を専門に行うプロフェッショナルです。彼らは、歌舞伎舞踊や日本舞踊などの伝統芸能に加えて、バレエや様々なダンススタイルの振付を手掛けています。一部の業界では、振付家と称されることが一般的ですが、ショウビズ界では「コリオグラファー」との呼称も用いられています。

振付とは

振付（コリオグラフィー）は、動作やその流れを構築する芸術形式です。具体的には、個々のポーズやそれらを繋ぐ一連の動きを組み立てることを指し、ダンスの中で振付の結果生まれた作品も含みます。この用語はダンスの世界に留まらず、映画やスポーツ、その他の身体表現においても頻繁に使われます。

さらには、映画や舞台での剣戟やアクションを担当する役割として、殺陣師（ファイト・コレオグラファー）やアクション監督が存在します。他にも、体操競技やフィギュアスケート、アーティスティックスイミング、マーチングバンドの踊りや、ショークワイア（演技を交えた合唱）など、振付は多様な分野で応用されています。振付作業は、動作の順序やリズム、強調点を考慮することから始まります。

振付師の歴史

「振付師」という言葉は、すでに日本の享保年間には存在しており、日本舞踊の振付を専門とする職業がありました。一方、英語の「Choreographer」は比較的新しい概念で、1930年代にアメリカに移住したジョージ・バランシンがミュージカルや映画の中で普及させました。バレエ界では、振付家はしばしば芸術監督の役割も担い、ダンサーへの指導や舞台全体の演出も行っています。

振付の記録と舞踊譜

振付は、創作された動作がダンサーや振付師から他のダンサーへ口伝えや手取り足取りの指導で継承されてきました。この方法は古代から続いていますが、17世紀の西洋舞踏会の発展に伴って、ダンス動作の記録・普及が試みられました。バレエやコンテンポラリー・ダンスなどでは、振付を抽象化し、記号化して記録する「ダンス・ノーテーション」が発達しました。

このダンス・ノーテーションは、ダンスの教育や研究、練習材料として利用されています。有名なダンサーの振付を記録することで、後世の人々がそれを再現することが可能になります。特に日本でも、各流派の踊りや地域に根ざした踊りが舞踊譜として記録されてきました。近年では、映像技術の進化により、振付の記録や教育が写真や動画を通じて行われるようになり、モーションキャプチャー技術も取り入れられています。

即興と振付

振付の技術の一部には即興（インプロヴィゼーション）も含まれます。これは、事前に準備された動作だけでなく、その場の状況に応じた動きを創造する技法です。ダンスの練習やワークショップなどで頻繁に行われています。

主な振付師

特に日本のJ-POPシーンには多くの振付師が存在し、それぞれが独自のスタイルや技術を持っています。さらに、振付に関する詳細な文献やオンラインリソースも豊富で、振付の理解を深める手助けとなっています。

振付師は、舞台芸術や映像作品の中で重要な役割を果たしており、その作品を通じて彼らの創造性が発揮されています。

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